冷静に…
このブログはどこにでもいる
ただのオバさんの日記であって
闘病ブログではありませんが
時々夫のことを書いています
夫はガンに罹患していて
抗がん剤治療中です
手術直後は転移がなかったのですが
半年後に転移していることが
分かりました
手術も治療も自宅から近い
中規模の公立病院に
かかっていましたが
この秋、転院いたしました
転院に至るまでの事を
感情を挟まず、できるだけ
冷静に綴ってみようと思います
言葉のメス
夫のガンが発覚したのが
2019年12月でした
下腹に違和感がある…
と言うことで検査を受けて
腎臓にガンがあることが
分かりました
すぐに自宅からほど近い
公立病院で手術を受けることに
したのですが
…
その公立病院の泌尿器科医に
初めて会った時
わたしの顔を見るなり
「奥さん」
「覚悟しといてくださいよ!」
「こりゃ物凄い難しい
手術じゃけ!
手術中に出血多量になる
可能性が高い」
「じゃけ覚悟しといて
くださいよ!」
「はぁ…こりゃ…」
「末期じゃけ!!」
…と、大声で言われました
耐えきれず一緒に来てくれた
息子にもたれかかっている
わたしにもう一度
「奥さん覚悟しといて
くださいね!!」
…と、言われました
手術は1ヶ月後の
2020年1月でした
結果は出血も少なくガンは全て摘出し
成功しました
術後の1ヶ月検診で転移はなく
ステージ3だと言われました
(ステージ3だと末期ではないらしい)
次の検診は6ヶ月後だと言われたので
「一般では3ヶ月後ではないのですか?
半年後は不安で…」と聞くと
「検査での被曝のリスクの方が怖いから
6ヶ月後でいいんです
海外ではほとんど6ヶ月後ですよ」
と言われたので
6ヶ月後に検診を受けると…
転移していることが判明しました
その時、医師の口から
「こりゃ致命的じゃわ」
…と聞こえたので
思わず聞き返しました
「え?致命的?」
医師はわたしの目を見つめ
さらに大きなこえで
「ちめいてき!!」
…と答えました
「今からすぐに放射線治療をした
方がいいけど放射線は効かんだろうし
その後はオプジーボがあるけど
これもまぁほぼ効かん」
「転移したガンは一気に大きくなる
可能性が高いから」
「そうなったらあと数週間じゃね」
…と聞いてもいない余命を言われました
「やはり3ヶ月後に検診を
受けてた方が良かったのでは
ないですか?」
と尋ねると
小さな声で
「いや、大した違いはないよ」
…とだけ答えられました
息子たちがセカンドオピニオンを
勧めてくれて受けることにしましたが
やはり
放射線治療→オプジーボ治療
がベストだと言われ
その結果を持ち帰ると
その時初めてオプジーボについて
丁寧な説明がありました
オプジーボは効く人が3割
現状維持が3割
残りはあまり効かない人です…と
効く人と現状維持を合わせると
6割になります
(最初の説明ではほぼ効かないって
言われましたが…)
放射線はやはり効かなかったので
オプジーボ治療になりましたが
念のため入院して治療を受けることに
なりました
その時医師から
「入院中“もしも”のことがあるかも
しれないので入院する前に“身辺整理”を
しておいた方がいいです」
…と、『アドバイス』を
受けました
入院、治療は何の問題もなく
4日で退院できました
が、結局オプジーボは酷い副作用で
あえなく中止になり
他の抗がん剤での治療を継続しています
ここに書いた以外にも
色々ありましたから
夫には何度も転院を勧めたのですが
夫としては危険な手術を
成功してくれた【主治医】なので
病院を変えるつもりにはならなかった
ようです
が!
ついに転院の決断をする時が
やってきました
市から肺炎球菌のワクチン接種の
ハガキが届き、持病がある場合は
【主治医】に相談してください
と書いてあったので
夫はその旨を言い
ワクチン打ってもいいですかね?
…と聞くと
医師は
「そりゃ打ってもええと思うが…」
「ワシ、あなたの…」
「主治医じゃないけ!」
…と言われました
ずっと主治医だと
思い込んでいた医師にそう言われ
流石の夫も凹みました
転院の希望を病院の
ソーシャルワーカーに伝え
手続きは全てお任せしました
転院の理由も伝えました
ソーシャルワーカーは
これは上にあげる事案ですね
ちょっと報告してみます
と言われましたが
その後どうなったかは
知りません
ここまでは
医師の発した言葉をそのまま
書き込んだだけですが
ここからはわたしの思いを少し
付け加えます
『覚悟』だとか『あと数週間』だとか
『身辺整理』だとか
何度も何度も何度も
奈落に突き落とされることばかり
言われてきましたが
主人…生きてます!
今、国立の大学病院に転院して
治療を継続しています
大学病院って
白い巨塔の中でドロドロが渦巻いて
医者も人間的にどうかと思う人ばかり
…って、ものすごーく
ひんまがったイメージを
勝手に抱いていたのですが
そんなことないのですねっ!
どの先生もみんな優しい
偉そうにしていない
初めての診察で
「ここには泌尿器科医が
◯◯人(←数字忘れた…)いますから
私たち全員が情報をシェアして
治療方針も考えていきますね」
…と
今まで聞いたことがないような
言葉を言ってくださったり
「ここには24時間365日
泌尿器科医が常駐していますから
何かあればすぐに連絡してくださいね」
…と
今まで聞いたことがないような
言葉をかけてくださいました
これが普通なんよ
と息子に言われましたが
今までが今までだったので
余計に心に染みたのです
…というのも
オプジーボ治療の後、夫に
物凄い喉の痛みが出始めたので
病院に電話をしたところ
病院職員さんに
「とりあえずかかりつけ医に
行ってください」と言われ
近所の医院に行きましたが
もらった痛み止めも効きませんでした
再度病院に電話しても
やはり同じ対応で診る気なし
とにかくかかりつけ医に
行ってくれと一点ばり
どうやらこの病院はこの対応が
マニュアルみたいです
仕方なく耳鼻咽喉科に行きましたが
そこの痛み止めも効かなかったので
もう強行突破で日曜日でしたが
病院に駆け込みました
その時の当直医の機転で
すぐに緊急入院となり
2週間ほど入院しました
やはり副作用だったみたいで
食道に数十個もの潰瘍が
できていたそうです
喉が焼け付くような痛みが
入院して10日も続きました
もっと早く対応してくれたら
あんなに長く苦しまなくても
良かったのに…と悔しく思います
夫は
「転院して何が良かったかって言うとね
もうあのM先生にもう会わなくて済む
ってことかな」
と言いました
「じゃもっと早く転院すれば
良かったじゃん!」
↑ダダ漏れしたわたしの心の声
前の主治医(だと思っていただけ)は
とってもお偉い部長センセイなので
ソーシャルワーカーが問題提起したところで
きっと体質は変わらないでしょう
大きな病院で一人の医師が担当する患者は
何人なのかな?
もしも100人いるとしたら
医師にとって診察室で会う患者は
1/100人にすぎないかもしれない
1/100ってちっさい数字ですもんね
でもね、家族にとったら
1/1なのです
代わりなんていない
このブログをお医者さんが
読むとは思えませんが
(何せ読者数も超少ないし…)
もしも何かのご縁で
ここに来られたお医者さんが
いらっしゃったら
お願いです
どうか、どうか
言葉のメスで患者の心を
切らないでください
むやみに
『覚悟』だとか『最悪』だとか
『致命的』だとか『身辺整理』
だとか言わないでください
生きる気力もその言葉で
萎えてしまいます
生きてはいけないのかと
思ってしまいます
余命を知っているのは
神さまと仏さまだけです
人間如きに余命なんか
分かるはずはない
分かっているのは
生命体は致死率100%という
ことだけ
それがいつなのかは
誰にも分からない
大学病院には屋上庭園がありました
転院した時は10月でしたが
なんと桜が満開でした
10月桜という名前で
その名の通り10月に咲くのですって
知りませんでした