私「お酒のトラブルで警察のお世話になったことだけじゃなく、それ以外でも私達が困ることがたくさんあった。パパの場合は飲酒をコントロールできないからやめてほしいと約束してもらったのに、飲酒がわかった時に私の中の信頼が崩れ去ってしまった。真剣に向き合って話したのに本当にショックだった。」
夫「お父さん(私の父)からも完全にお酒をやめてくれと言われて約束した。でもあれは何でしょう?お酒を飲んだら5千万、家も車も奪いますという誓約書を書かされた。だから完全に監視体制ですよね。」
私「それが嫌ならどうしてOKしたの?」
夫「それは僕もやり直したいと思ったから。でも常に頭にあるんですよ。結局ママはそういう人だと。やったー!お酒飲んだら5千万もらえる、1日中遊んで自分のことだけ考えてる人だなと思ってるわけ。」
私「論理のすり替えだと思うんだけど。私がどうして誓約書書いてもらったと思う?」
夫「抑止力でしょ?オレは家族のために一生懸命働いてる。でもオレの大事なもの全部奪っていく。そこに全部集約されてると思う。この人はお金のことしか考えてない。僕のことなんてどうでもいい。」
息子「監視されてるとか、そう言う感覚って、お酒飲むのがそんなに悪いことなのかっていう、罪に対する償いが釣り合ってないという感覚があるから、ママが自分の大事なものを手に入れる下心があるという先入観になってると思うんだけど、そこに至る前にコミュニケーションとれなかったの?」
夫「ママは冷たいところがある。オレの親とか親戚のこと全然大事にしないし、気にも留めない。ママのこと好きな人いない。」
私「それは知らなかった。お父さんお母さん親戚の人達みんなが私のこと嫌ってるの?」
夫「それは腹いせで言った」
私「腹いせ?他の人とはコミュニケーション取れるのに、パパとだけ取れない感じ…」
夫「そうそう、オレも監視されてるみたいな感じだから」
息子「言い換えれば、失う恐怖の方がでかかったっていう…」
私「私の信頼を失うことよりそっちの(お金と家を取られる)恐怖の方が大きかったんだね…」
夫「みんな一生懸命働いてるんですよ。それを全部取られてしまうんじゃないかと親戚一同みんな思ってる、たぶん。」
私「あの誓約書を書いてもらったのは、もうこれで最後だっていう気持ち。あのとき最後にもう一度信じようと思った。私が真剣に向き合って出した結論、想いが全然伝わってないってことがよくわかった。」
夫「伝わってるけどすごい恐怖になってる。全部奪われる恐怖。」
私「自分で稼いだものは全部自分のものって思ってるから、何もしてないのにお金だけ使うっていつも言うもんね。」
夫「それは思ってない。何とも思ってないからです。ものすごくありがたく思ってくれるとか、僕に対する愛情があるなら別。あなたの場合は監視してるだけなんで。」
私「私、結婚してから今まで何してたんだろう…」
夫「悠々自適にしてたよね。経済的な心配無くて病気も治って良かったじゃないですか。僕はもう恐ろしいから。一杯でもお酒飲んだら全部取られるから。そんな状況でニコニコできると思う?それが聞きたい。僕の立場だったらどう思う?」
私「飲んでなければ問題無いよね。」
夫「そうですよね。でも、ずーっと十字架を背負わされてるわけですよ。」
息子「十字架を背負わされたって言うけど、十字架を作らせたっていう感覚はないの?」
夫「あるよ。じゃあな、一生懸命お金稼ぐために働いてるのに、それを全部取られると思ったらどう思うの?応援してると思える?ガンの治療費も(私は10年前にガン治療を受けている)ものすごいしんどかったけど払ってあげて…」
私「え?入院費と手術費は出してもらったけど、治療費は保険が満期になったから解約して出した」
夫「何言ってるの?いくらかかってると思ってんの?カツラもものすごい高くて、会社も休みにくいのに休んで、そういう感謝が無い。全部自分中心でやってもらって当たり前と思ってる。猛烈にお金かかってるんですよ。そこに十字架をはめるっていうのが気に食わん。ま、あんなもんあって無いようなもんだけどな。」
私「あって無いようなものなのにしんどかったの?」
夫「うん。そこから解放されるだけでもマシ。ここはオレの家だから、明日からでも決着つくまで実家にでも行ってください。」
息子「よくわかったわ。本当に今までオレのためにというのもあったと思うけど、家族でいてくれてありがとうございました。ここまでズレてたらもう無理だと思うし、お互いが納得いくかたちでお願いします。」
夫「来週からもう手続き始めます。ママも弁護士雇ってください。」
夫、退場。
息子「もう、どんな形でも一緒にいない方がいい。ごめん、色々聞きたくないこと聞かせて。」
私「いや、ちゃんと話し合わないといけないと思ってたし、これから先どうなるかわからんけど、これで良いような気がする。」
息子「うん。これで良いと思う。1ミリも何言ってるかわからんかったわー…うまく撮れてたらいいんだけどね(笑)」
私「…撮ってたの?」
息子がこっそり全部録音してくれていたという、まさかの結末