職業選択の余地もなく始まったB病院での派遣社員としての勤務だったんだけど、もちろんオレはずっとそのままでいるつもりは無かった。
先々は派遣会社の正社員になってマネージャー等として管理の仕事をやりたいと思っていたし、そのために他支店と顔つなぎをするためのプロジェクト参加だと思っていた。口約束だけど支店勤務の話も出ていたからね。
ところが、オレは2000年の3月31日の契約満了をもって、次年度の更新を絶対にしない決意をする事になる。
さて、その理由は
①B病院の業務を立ち上げから始めて、入院・外来全ての業務受託に繋げたのに、その事に対する評価が全く無かった。
②オレより若くて医療事務の事を全く知らない新人がいきなりマネージャーになって仕切り始めた。
以上2点。
特に②についてはアホらしくて全くやってられなかった。
コイツは現場の業務について何にも知らないのにどうして仕切れるの?オレは口約束につられて我慢させられて美味しいところを全部持っていかれるの?って考えたらどうしても続ける気にはなれなかったね!
ただ、辞めたら長崎支店の美人マネージャーに一生会えなくなると思ってそれが辛かったよ。
②の話が出た時点で派遣会社に見切りをつけていたから、すぐに転職活動に入ったけど時間的な制約や経験不足もあってこれが上手くいかなくて正直困った。
今でこそ色んな経験を積み重ねて、転職活動の要領や自分の売り込み方なんかも分かっているけど、当時はそんなの知らないからね。
そうこうしているうちに、知人のツテでI市内のクリニックで事務員の募集をしている事を聞いたので、とりあえず面接を受けに行くことにしたんだ。
行ってみたら、そこそこの規模のクリニックで、院長夫妻も『一見』いい感じの人たちに見えた。向こうもオレのことを気に入ってくれたようだった。しつこいけど『一見』よ。
正直、I市内に留まり続けるのもどうかとは思ったんだけど、他に選択肢も無かったからここにお世話になることにした。ここをCクリニックとしておこうか。
こうして会社との契約が終了して、B病院を離れることになったんだけど、最後まで大変だった。
オレの他に二人のスタッフが辞めるって言いだしてね。二人ともそれぞれ理由はあっただろうけど、共通していたのは会社に嫌気がさしていたことらしいんだ。決してオレからけしかけて辞めるように言ったわけじゃない。あくまでもオレは一人で消える予定だったんだ。
三人いっぺんにいなくなるもんだから会社からはめちゃくちゃ怒られたね。そりゃそうだよね、いきなり三人もスタッフ入れかわったらさすがにB病院からクレームくるだろうし。まぁ、怒るくらいなら、オレの扱いをどうにかしてほしかったっていうのが正直なところだけど…。
こうして、揉めはしたけど、オレの派遣社員契約とB病院での勤務が終わりをつげ、Cクリニックでの新生活が始まることになるんだけど、これが順風満帆っていうわけではなかったんだ…。

B病院編はこれで終了、次回からCクリニックでのお話が始まります。