オレがB病院でやらなきゃいけなくなった主な仕事は概ね次の通り
①内科・産婦人科病棟と放射線科・結核病棟の伝票入力・退院会計処理
②上記2個病棟についてのレセプト点検業務
大筋はこの2つなんだけどね、色々と問題があって、これはB病院だけじゃなくて、実際に現場に入っていたオレも悪かったんだけど、日々の業務・月々の業務の流れの中で、会社が請け負っている業務以外の仕事もやらなきゃいけない状況ってあったんだ。
もちろん、会社には報告をしているし、やらなくて済むような状況を作ってくれるように会社にも改善を依頼していたんだけど、話はそんなに簡単じゃなくて、結局改善されるには至らなかった。
その中の業務の一つが、『調定業務』っていって、支払基金や国保連合会から入ってくる金額を、レセプトの請求額から審査減・過誤減・返戻・過誤返戻を差し引いた額と照らし合わせて合致するかどうかを精査して調定する業務なんだけど、会社が請け負っていた業務からは完全に逸脱していた。だけど、やらないと業務は回らない。そして、やったところでオレ自身の評価には全く繋がらなくて、評価されるのはB病院の担当者だった。
ただね、この業務をやったことはオレにとって全く無駄ではなくて、知識としてそして経験値として確実に自分の中に蓄積することが出来たんだ。
支払基金や国保連合会から送られてくる支払決定通知書や減点・返戻の通知書の内容・仕組みについて知識を深めることが出来たことは決してオレにとって小さい事ではなかったね。
後は、病棟で使う、外科・内科・産婦人科の処置票の作成なんてこともやらされたね。これこそ、これをやったところでオレの評価には全くならなくて、美味しいところはB病院の担当者に全部もっていかれたんだけど、オレの中には『知識と経験』っていう何物にも代えがたい貴重な財産が残った。
この当時は電子カルテなんて無かったから、看護師さんが日々のコストを記載する処置票が必要だったんだ。だけどその時使っていた処置票はあいまいで、実際に行っている処置が処置票の中に無かったりしたんだ。それをオレが全面的に見直して、頻回に行っている処置を全部入れ込んで、同時に医事算定コードも記載して医事課もレセコンに入力しやすいようにリニューアルしたんだ。
これを作るためには、もちろん点数解釈表を詳らかに読み込まないといけなかったから大変勉強になった。
ただね、オレがB病院に派遣された当初は、派遣社員はオレ一人だったから、理不尽な扱いも随分と受けた。ここでは書けないような悔しい思いも色々と経験させてもらった。
一つだけ書くけど、オレが職場にお茶飲み用に持ち込んでいたマグカップがあってね、大学生の頃から愛用していたものだったんだけど、カップの表面にフェラーリのエンブレムが大きく描かれているお気に入りだったんだ。
そのマグカップの取っ手がね、ある日突然折られちゃったんだよ、根元から。B病院のパートのオバサンが「取れちゃった~ごめんね~」とかヘラヘラ笑ってオレに持ってきたんだけど、読者の皆さん、お手元にマグカップがあったらよく見てみて下さい。マグカップの取っ手が根元からキレイに無くなるってあります?陶器ですよ?相当な圧をかけないと取っ手って折れなくないですか?つまりはそういう事ですよ。
悔しかったけど、そんな大事なものを派遣先なんかに持ち込んだオレが悪かったって諦めたよ。諦めるもなにも壊れちゃってるんだもん、仕方ないよね。我慢するしかなかったよ。
オレはあまり認めたくないんだけど、仕事上ではもちろん、我慢や忍耐っていう面でもB病院での経験っていうのはとてつもなくオレにとって大きかったね。

B病院での初期はこんな感じだった。
次回からはオレが経験した事例を書ける範囲内で紹介していければと思う。今回はこれまで。