Ellenのワイン教室です!
またまた台風?のような悪天候。そんな日は過去の整理整頓に最適。
今日は先日参加したワインの試飲会の感想、及びシャトーの紹介をしたいと思います。
フランスボルドーのポイヤック地区に位置する5級シャトーであるシャトー・ポンテ・カネ。
ボルドーは雨が比較的に多いこともあり、無農薬のブドウ栽培が難しいと言われていますが、
シャトー・ポンテ・カネは2005年より、ビオディナミでブドウ栽培をしておりました。
非常に勇気のある決断ですが、シャトー・ポンテ・カネはブドウ自身の力やテロワールがよりワインで表現
したいという気持ちが根本にあります。
ちなみに、ビオディナミ農法とは単なる「有機栽培」、「無農薬」ではありません。
ビオディナミ農法は、肥料はもちろん、生物や土地等の環境、月や星の天体動きまでも反映した独特な栽培方法として知られています。
ブドウの水やりや収穫の際、トラック等機械的なものを一切使わず、馬や牛、自然界の力のみを頼る究極な自然農法です。
また、醸造過程も樽香を付けるやり方ではなく、ほぼステンレスタンクで発酵や熟成をさせています。
それによって、ブドウ本来の生命力が活かされ、素直にワインの味となります。
あえて化粧をしないワインの味はどんなものだったのか。
今回は2011年、2013年、2014年、3つのビンテージの垂直試飲をしてまいりました。
(垂直試飲とは、同一生産者或いは畑のビンテージ違いで試飲すること)
2011年
ちょうど飲み頃を迎えているこのワイン、バラや牡丹、すみれ等お花の香りが特長的で、華やかで複雑。
ほどよい果実味と柔らかいタンニン、そして酸味が力強く、エレガントなスタイル。
2013年
ボルドーによっては難しい年
爆発的な果実、しかも熟したブラックベリーの香りが最も印象的。どこかに、カベルネの青い、茎のようなものも感じました。
味も香りを同様、果実味が濃縮していて、タンニンがもたらす心地よいフィニッシュでした。
2014年
いわゆる良いビンテージ
まだ飲むには少し早く、最初は固い印象。時間が経つと、こちらもベリー系の甘やかな香りに、花や土等の複雑な印象。
2013年より果実味は抑え気味だが、酸味は豊で、バランスが良い。飲む前に早めの抜栓や、ディキャンタージュがあるとよし。
個人的には、2013年も飲みやすいが、ボルドーらしさという観点では、2014年です。
垂直飲みでここまで違いがあるのは、やはり100%テロワールを再現した造りのおかげなのではないでしょうか。
この勇気と知恵のある行動と味を知った上で、改めて値段を見ると、10,000円台であることは
決して安くはないが、ワインに相応しく思います。これから更に値上がりすることもあるでしょう。
自分の教室でも、このような素晴らしい変遷を成し遂げたワインを、扱いたいと思います。