白が好きか、赤が好きか。

ワイン好きにとっては飽きない話題でもあります。

 

私自身、フルボディーな赤ワインに惹かれ、ワインを好きになるも、

その後シンプルで分かりやすい白ワインを好きになり、

最近ではまた徐々に赤の複雑さを再認識しております。

 

このように、時や季節、料理やシチュエーションによって、白なのか、赤なのか、

好みや選択が変わってくるものです。例え白好きの方も、

是非赤ワインも時々飲んでほしいものです。

 

さて、先日は白ワインのブドウ品種についてお話しました。

今回は赤ワイン用のブドウについてご紹介します。

同じく先ずはこの三つを抑えとけば

ワインの注文時少しは困らなくなるはずです。

 

 

1. Cabernet Sauvignon カベルネ・ソーヴィニヨン

 

先ずは何といっても赤ワインの王的な存在のカベルネソーヴィニヨンです。

名前が長いですが、カベルネだけでもソムリエさんは分かります。

 

なぜカベルネは王なのか、それはその長期熟成(20年や30年の熟成)に耐えられる渋み

にあるのではないでしょうか。ワインの言葉でいうと、骨格があると言います。

逞しい味わい、どっしりとした飲み口、自然と余韻も長くなり、飲み込んだ後も香りや味が

口いっぱいに残ります。

 

 

フランスボルドー生まれのカベルネは、その力強さと、長期熟成を耐えきりポテンシャルによって、

赤ワインの中では絶対的な存在となっています。

 

出身はフランスですが、今は世界様々な場所で栽培され、

アメリカのカリフォルニアワインによく登場する品種です。

違いとしては、フランスはカベルネを他のブドウ品種とブレンド醸造するのが基本に対し、

アメリカはカベルネ単一品種で醸造します。より品種の個性が出てきますね。

 

ワインが若いうちは青ピーマン(特にアメリカ産)等の青っぽい香りが特長的。

熟成すると、ブラックベリー、プラム、牡丹等赤い花の香り、ものによってはヴァニラーといった

実に複雑な香りが楽しめます。脂身のある肉料理と相性が良いと言われ、牛肉のステーキ等が定番。

 

イメージで行きますと、絶対的地位を勝ち取った女王様のようで、

出身や育ち、全てにおいて完ぺきで、プライド高き、権威のパワーを感じさせる存在。

 

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まさかの悪役?

 

 

2. Merlot メルロー

 

次のメルローは、実はカベルネと生まれ故郷が同じ、フランスのボルドー地方です。

基本的にこちらも長期熟成型で、フルボディーな赤ワインに向いているブドウですが、

カベルネに比べると若干早熟で、滑らかな舌触り、ふくよかな印象が。

ボルドーでは、メルローをよくカベルネをブレンドし、ワインに繊細さを加えます。

 

メルローも、世界各国で栽培されており、実はこの日本にもメルローの名産地があります。

それは長野県の桔梗が原です。

私もかつて桔梗が原のシャトーメルシャンのメルローを口にしたことがあります。

バラや牡丹の華やかな香り、そしてフレッシュで鮮やかなベリーの香りが非常に素晴らしく、

味も他国にはない日本ならではの繊細さがありました。

 

カベルネがパワフルな女王であれば、メルローは女王の補佐。

美しく外見に、芯がしっかりしている内面。周りをよく観察し、気の利く優等生。

まるで映画「プラダを着た悪魔)」の主人公アンドレアのようです。

 

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3. Pinot Noir ピノ・ノワール

 

最後にピノ・ノワールの存在は、決して忘れてはいけません。

世界中、特に日本でも大人気なピノ・ノワールですが、出身地はフランスのブルゴーニュ地方。

愛される理由としては、もしかしたらあの愛らしい色とエレガントな味由来でしょうね。

 

 

カベルネとメルローはフルボディーなワインであれば、ピノはミディアムボディーと言って、

色も味わいもワントン穏やかです。輝きのあるルビーのような色は実に美しいもの。

そしてピノは豊富な酸が大きく評価され、故にエレガント、変化の富んだワインなのです。

 

若い時はイチゴやラズベリー等の果実味、熟成すると森林、レザー等の複雑な香りが。

高貴なブドウであり、程よい渋みを持つことで、

銘醸地のピノ・ノワールは長期熟成にも耐えられるようになっています。

 

比較的に涼しい場所を好み、フランスのブルゴーニュ地方以外にも、

アメリカのオレゴン州やドイツ、オーストラリアやニュージーランド。

日本の北海道も近年ピノの栽培に力を入れています。

 

ピノ・ノワールはとてもエレガントでフェミニンなイメージを浮かびます。

名門家庭の出身ならではの高貴と万物に対する優しさ心をそなえ持ち、

脆い時もあれば、時には性格の強い一面も見せる。

ディズニーキャラクターで例えるなら、森の眠る美女を想像させます。

 

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以上赤ワイン品種三つを紹介しましが、少しイメージが浮かべるようになったでしょうか。

カベルネが女王だからといって、必ずしもそれがみんなの口に合うわけではありません。

感じ方は人それぞれ、好みもそれぞれです。

カベルネの渋みが慣れなくても、落ち込むことはなく、今の自分が「コレ好き!」

と思えるような赤ワインを探してみてください。

 

次回はブドウや産地の話から一旦離れ、ワインを飲むときの注意点、

皆さんが「なぜあんなことを?」と思うような素朴な質問を、Q&A形式で答えていきたいと思います。