ワインの世界は奥が深いと言います。

初心者向けの書籍もたくさん出ている世の中ですが、知識のつまみ食いよりは、

基礎知識をある程度身につけた方が伸びしろがあるでしょう。

今回は初心者でも分かる、おおまかなワインの基礎を紹介したいと思います。

大きなピクチャーをつかむことは、ワインを知るための有効且つ大事な第1歩です。

 

 

1.種類分類

ワインは酒税法により種類分類において、果実原料となる醸造酒に分類されます。

ご存じのように、ブドウがワインの原料ですよね。

 

普段皆さんが飲まれている日本酒やビールはどうでしょうか。

日本酒はお米、ビールは大麦が原料。同じ醸造酒でも穀物原料に分類されます。

 

ところで、皆さんはアルコール発酵のメカニズムをご存じでしょうか。

アルコールは原料に含まれる糖分が酵母の働きによって、アルコールと炭酸ガスに分解されるものです。

 

ブドウは元々糖分を含むので、ある程度条件が揃えば、潰してほっといても勝手に発酵します。

仕込み水が発酵に必要とされる穀物原料の醸造酒に比べ、

ワインはブドウそのままワインに変化しますので、

原料であるブドウがワインの香りや味の命であると言っても過言ではないでしょう。

 

 

 

2.ワインの分類

一括りにワインと言っても、実は4種類に分類されます。

 

★スティルワイン:赤、白、ロゼ、いわゆる普通のワインの正式名です。

 

★スパークリングワイン:そのままですが、炭酸ガスを吹くぬワインのことです。国によって呼び方が異なるのが厄介ですが。

 

★フォーティファイドワイン:ここからあまり馴染みがないかもしれませんが、これはワインにブランデー等の高いアルコールを持つお酒を加えて、全体のアルコール度数を高くし、保存性を高めたワインのことです。酒精強化ワインとも言います。

  例:スペインのシェリー酒、ポルトガルのポートワイン、マデイラ等

 

★フレーバードワイン:ワインに薬草、果実等、何かの風味を加えたもの。

  例:スペインのサングリア、フランスのベルモット

 

ここでは、スティルワインとスパークリングワインが最も身近ではないでしょうか。

 

 

 

3.ワインの作り方

大きな流れとしては、ブドウの収穫⇒発酵⇒圧搾⇒樽熟成⇒瓶詰となります。

ここでは、よく質問で聞かれる赤と白の作り方の相違点を紹介します。

 

実は、赤ワインと白ワインの作り方で決定的に違うのはただ一つだけです。

それは、ブドウを圧搾するタイミングなのです。

 

白ワインはブドウを潰して、すぐに搾って果汁にし、発酵します。

それに対し、赤ワインはどうでしょう。

赤はブドウを潰すだけで、果汁とブドウの皮、種等と一緒に発酵させ、その後に圧搾します。

皮からはブドウの色素と渋み、種や莖からも渋みや苦みが出てきます。

だからこそ、赤ワインは色が付着していて、白ワインにない渋み(タンニン)を持っているのです。

 

 

その他少し変わった作り方や、ピンク色が着くロゼワインの作り方は、また別途ご紹介します。

 

 

 

色々語ってしまい、覚えきれないかもしれませんので、以下3つに簡約してみました。

1.ワインは果実原料の醸造酒で、ブドウの出来がそのままお酒に反映するお酒

2.一般的なワインの正式名はスティルワイン、炭酸が入っているのはスパークリングワインと分類される

3.赤ワインは皮と種も一緒に発酵させるので色と渋みを持つ。

 

学術的なことになると、つい眠くなってしまいますが、1.については後に語るワインのテロワール(ブドウが育つ自然や人的環境のこと)と深い関連性があったり、3.の醸造方法はワインの香りや味に多大な影響を与えたりと、基礎はやはりなかなか侮れない部分があります。私の実体験から言いますと、ワインの醸造方法を知っているだけでも、ソムリエさんとの会話が弾み、初心者でも一気にプロっぽく見えてしまうんですよね。

 

 

試験のためではなく、資格のためでもない、

皆さんがよりディープなワイン人生を送るためのワイン概論編でした。