あの音楽や
あの映画や
美味しいご飯や
きれいな夜景も
変わることのない美しさなのに
なぜ、こんなにも満たされないのですか

手を繋ぎ前を歩く恋人たちに
涙をこらえるのが精一杯だった

いつも伝えたくて
遭いたくて
側にいたい人はもぅあたしにはいない

手をつなぎたいよ
大きな大きな手
あたしはその手と共に未来を描けると信じていた
次来る季節も
来年も
毎年、あなたの歳を重ねる日を
祝えると思ってた

過去は未来とつながらないものですか
あたしたちは、何を間違えてしまいましたか
大きな大きな手は全てを切り離して
あたしを幸せのあった場所に置いていった

寂しいとか苦しいとかぢゃない

ただ涙が出る

まだ、あなたの手が
あたたかい手が
未来を見せてくれるんじゃないかと
信じてしまってる

あぁ、バカだな

空を見上げて涙をこらえてみる

空も何もかも
美しいものは変わらないのに

どうしてあたしは今、1人なんですか
雨にうたれるために立ち止まった

なんでそんなに雨が似合うのかな

その潤う横顔が愛おしい

きっと何かに負けて泣いている

ごめんね
あたしは冷たい君に触れない
君はあたしを求めてないから
あたしは雨に濡れた君を見つめてる
君が消えてなくなりそうだと思った


雨はね
紫色の花を咲かせるんだよ
小さな小さな四角い花びら
かたつむりが葉の裏でこっそり遊ぶ

雨上がりの朝
その雫が輝いて華々しい明日へと繋げる
君はきっと笑ってる
あの雨で涙をすべて流したはずだから


あなたの記憶に触れられないから
あたしはただ雨に濡れる君を見ていた
終わりなく降る雨はないから
あの濁る空にきっと青い青い空がある

海を映す空
君を描く紫陽花
あたしは救えない
君には夢がある


雨にうたれる花
そんな季節に咲くことを選んだ花

君は君の季節を
君の夢を


あたしはただの通り雨になる
うぅん 違うよ
幸せになりたいから
側にいたいんぢゃないんだ

1人はさみしいから
恋人ごっこがしたいんぢゃないんだ


女は強いもんよ

だってほら
あなたに誰かいても
笑っていられる

鈍くて空気のひとつ読めないあなたに
同情すら出来る


泣いているのに
笑っていられるのはね
それは、あたしが女だからよ
バカな振りの出来る利口で悲しい女だからよ


熱い夜に溶けて
その記憶に縋る性は
悲しいからぢゃないんだ

唇で思い出して
布団に乱れる記憶は
切ないからぢゃないの


男は可愛いものよ

だってほら
あなたはあたしに
情けなく逝く姿を見せる

そんなとこが愛しくて
あたしの心ひとつ読めないあなたに
夢中に弄る


悦べないのに
感じられるのは
それは、あたしが女だからよ
バカな振りの出来る利口で悲しい女だからよ



女は強いもんよ


だってほら
あなたに誰かいても
抱かれていられる

心のひとつ読めないバカなあなたを
愛することが出来る


泣いているのに
笑っていられるのはね
それは、あたしが女だからよ
バカな振りの出来る利口で悲しい女だからよ


寂しいからって
寂しいからって
あたしに近寄らないで