かつては、学芸大学駅前でスナック経営を目論んだこともあるチャンけい、こちらのスナック雑居ビルはどうしても見逃せませんでした。この間、やってないと思ったスナックはこのビルでした。あろうことが、地下2階にも1軒あるのを見逃していたのです。


店内はアクリルボードだらけですが、雰囲気的には平成初期から中期のスナックの佇まい。もちろんカラオケ完備。薄型テレビがあることで、ハッと現代であることに気付かされます。もちろん地下2階なので、Wi-Fiはおろか、スマホの電波も飛んでいません。でもスナックはママ、従業員、そしてお客が憩う、言わば広場のようなもの。営業中にスマホをいじるなんてとんでもない。もしいじるとしたら、閉店後ママとアフターに行く店を探す時だけなのだーッ(『愛と誠』“石清水弘”風に』


ランチメニューは潔く、本日の健康ランチ 新玉ねぎの肉巻フライの一本。焼き魚(サバ)、たまご焼き(ひじき入り)、フルーツ(バナナ)、食後のコーヒー付で税込850円。そしてご飯はおかわり無料。この緊急事態宣言下、夜の営業ができないので、昼間のランチで稼ぐ。ただ手をこまねいているだけでなく、ダメ元でいいからやってみる。本当に逞しい店と思います。かつて学大にあったスナックいのうえを思い出す。スナックいのうえのママも男気があった。こちらのママもきっと男気があるはずです。ちなみにコーヒーはホットも頼めるようですが、アイスコーヒーを頼んで見ました。


ママがカウンターで調理して、従業員の女性が運んでくれます。提供までは4分ほど。味噌汁が熱いので気をつけるようにと、十分な心遣いが感じられる注意喚起も。早速、新玉ねぎの肉巻きフライ食べてみました。ソースは予めかけられてあります。実はチャンけい、玉ねぎ好きじゃないんです。なんかヌルヌルしてるのがイヤなんだけど、この玉ねぎはものすごくサクサクしてる。玉ねぎ独特の匂いもない。キャベツのように歯応えがよく、ソースの染みた衣と、薄いけど豚肉の味にはとてもよくあうんです。新玉ねぎって、こんなに美味いんだと、初めて気付かされました。


サバは2ヶ。茄子の煮物やさやえんどう、ピーマンと一緒に盛られていて、家庭料理の趣が。まさに健康ランチ、ママの愛がひしひしと伝わってきます。チャンけい、30代の頃、数年、事務所がわりにしてたスナックで毎晩メシ食ってましたが、その時のことを懐かしく思い出しました。


ラストのデザートにバナナは昭和の思考。残念ながら今回、ママの顔は拝めませんでしたが、しっかり自家製で入れたアイスコーヒー頂きながら、このお店は昭和の荒波を乗り越えてきたのでは、と拝察した次第です。チャンけいの名スナック格言と言われる『スナックの扉は山よりも重く、海より深いママの愛(常連には)』を思い出しました。


新玉ねぎの旨さを教えてくれたこと、コロナが収まったら是非、チャンけいの自慢のノドを響かせたい(サザンオールスターズ『涙の海で抱かれたい〜SEA OF LOVE』ということで、星を1つ差し上げます。本日は昭和、平成、令和と激動の3元号を生き抜くスナック文化の鏡を見た。


お支払いは帰りに現金で。『うまかったです』の一言は忘れませんでした。明日こそは、ダイニング『バール 青ィ印』でボクと握手‼︎


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