どうしようもなく許せない人間がいる。
例えば、同僚とも思いたくない先輩。
私にいつも分厚い濡れ衣を着せたがる。
先輩は突然、私が過去にやった仕事に難癖つけてくるのだ。
「これはその時気づいて、督促しないとダメですよね?なぜやらなかったのか?そこまでやって『仕事』ですよね?(ゲス顔)」
私はあまりに唐突な出来事に焦りすぎて、理性を失いかける。
だが、これは誰からも引継ぎを受けられなかった仕事だった。
多人数を対象に、あることを紙に記入させ、全て回収するという作業。
私は退職した人のPCフォルダを漁り、僅かな資料を頼りに、なんとかやり遂げたのである。
退職した方は背負うものが大きすぎたのだろう。詳細なことなど何も残されていなかった。
しかも本来なら、私ではなく先輩が担当として持つはずだが、頭のおかしい人員配置で私がやることになっている。
むしろよくやったのでは・・・?!
指摘されている「これ」という箇所は、気づくための知識もなければ、知る手段もなかった。
よくわからない状態の上、重箱の隅をつつくようなことを言い放たれたので
「・・・知らなかったです。私が今からやります。」
と言ったら
「もういいです。」
と急に半ギレされたので
私は首をかしげながら席に戻った。
ほんの少し経って、別の方が私に耳打ちした。
「いじわる。あの先輩がさっき言ってたこと・・・。
あの人だって午前中初めて知ったのよ。
上司に言われて『そうなんですかあ!』って・・・」
その瞬間、私を取り巻いていた雲が弾け飛んだ。
脳内で先輩を銃殺した。眉間と心臓のどちらも打ち抜いていた。
こいつはどちらも打たないと、死んでくれないんだ。
血みどろにしてやりたい。
もう一つのトラウマが走ってくる。
大切な品物を、大事な日の前夜に抜き取られたこと。
先輩と二人で、部屋に夜遅くまで残っていた時、
私が何か月も前から作り上げてきた、高額な品物が何点もなくなっていることに気づいた。
何度数え直しても、明らかに数が足りない。大切な催しは明日だ。
どうして?泥棒に入られたのか?全責任を私が負うことになる・・・
怖くて震えながら、ほぼ泣きそうになりながらドタバタと探しまわって
30分経った頃、後ろでずっと見ていたと思われる先輩が
「あっ、代表の分だけ私が使うので抜き取っておきましたー。」
さらっと言って、去っていった。
こんなことは許されないと私は思っている。
先輩だから?私が反論しないから?
そう思っているのだろうか。
一人で仕事を抱え込み、情報共有もせず、ブラックボックス化して自分さえ仕事ができればいいと勘違いしている。まずいことは全て後輩になすりつけ、上司には自分は価値ある人間だと認められたいらしい。上司も同じタイプで、結局高評価してしまうから、私は切り捨てられていくのである。
こんな人が生きられる世界があることに、心底落胆する。
過剰に仕事を抱えてハイになっているが、残念ながらそれを「仕事ができる」とは言えないし
教育体制も、生産効率も失われ、心ある人間が消えなければならなくなるのだ。
広い心で黙って受け止めるには限界というものがある。
私の脳内で何億回も殺されているのに
現実ではまた、何食わぬ顔で目の前に現れる。
なぜ、人を殺してはいけないのだろう。
首を絞めて脈拍の抵抗がなくなった瞬間も、ライフルで狂いなく打ち抜けた瞬間も、
想像ではあんなに気持ちいいのに・・・。
勿論、100%想像で収めるけれども。
本当に色んな意味で厳しい人が出てきてしまった時、
多少の「制裁」、むしろ「導き」をしてあげて良いと本気で思う。
友達で、退職する時にムカつくおばさんのロッカーに虫の死骸を大量に入れて
ロッカー破壊して辞めた話を聞いたことあるけど、なんかすごい笑った。
虫の調達ルートどうしたのか謎じゃない?
大人げないとかいう綺麗ごとなんて、周りが言えることではないと思う。
一切の反論もせずに折れて生きるのは実際とてもつらい。
1滴で爆臭スプレーとか、自然発生的にデスクの中カビさせられないかな、とか
しょうもない仕打ちを画策したりした。
引かれるかもしれないけど、私は殺意を持つのは普通の現象だと思っている。
うまく付き合っていくには、原因から物理的に離れるか、
思っても寸止めの技術で「制裁」に変換するか・・・
いつもよりさらけ出せたかなあ。