「どんな人がタイプ?」




小学生の時に配られたプロフィール帳、大きくなってからは飲み会、合コンの常套句。



何と答えれば良いのだろう。



この質問は簡単なようで難しいと感じる。
「好きになった人!」と答えると、相手は笑った後に(なんかそれずるい)というがっかり感を持つか、他ないの…?という深掘を期待するか、いずれにせよ歪んだ表情になってしまう。


「優しい人!!」
「楽しい人!!」
「怖くない人!!」
「ノリが良い人!!」


これらのシリーズ。
相手の気持ちを気にする必要などないのだが、私がやってきたことは、その場しのぎの返事にすぎない。水くさくて、嘘にうそを塗り重ねて、ミルフィーユができそうなぐらい。とても脆くて、よく見れば中身はスカスカ。理想がないため、いつも誰かから盗んだ答えになっている。


そのような中でも、生きていて
ひとつだけ わかってきたことは、一番つらいときにわかってくれる人が良いということかもしれない。
  

異性のタイプは関係なく
人間として そうであったら という
1mmの願望。 


楽しくてワイワイする気持ちを共有するのは、演技でもできる。大抵、演技しているということは、相手は想定すらしないものだ。大人になるにつれて、おそらく万人が為せる技で、合わせることは無意識に体得しているのだと思う。


だが、本気で辛い時や、悲しくて涙がこぼれるような気持ちの共有ができるかどうかは、人間性がえぐいほどに現れると感じている。

気にすんなよ!
落ち込むな!
ふーん
その気持ちわかんない
外出れば?
寝れば?
大丈夫?
飲み行こー!


色んな言葉のかけ方がある。
切れたスイッチを一瞬でオンにできる人もいるから、距離の取り方なんて崖から崖のジャンプを試されているのと同様に難しいのだ。私は気持ちの切り替えはかなり下手らしい。楽しい時は良いものの、しんどい時に思ったより相手に軽く、冷たくあしらわれると、(あっ、この人とは常にテンション上げてないと会話成立しないじゃん!個人的なこと話すのやめとこ…あっなんなら嘘ついとこ…演技しとこ)となってしまう。最低だ。
始めが好印象であればあるほど、この落差は凄まじいショックを与える。(私調べ)


生まれも育ちも違うし
人間はなかなか、わかりあえない生き物だと思う。
そんなことないよ、という意見を理解できなくて大人になれないむずい。



私を含めて無数の人が演技しているなかで、つらいときにもわかりあえる価値観を持つ人がきっといる。
いくつも見つけられたら良いな。