読解「超」基礎編 第3回 「逆接」に着目しよう③

この記事では、国語〔現代文〕、中でも【評論文】の読解する上での「超」基礎的読解法について【真面目に】解説していきます。

(こちらの記事は【真面目に現代文】読解「超」基礎編 第3回 「逆接」に着目しよう③ をリニューアルしたものをアップしております)

 

〝「逆接」のあとに筆者の主張が書いている〟という話は、1度は聞いたことがありますよね。

回では〝「逆接」のあとに……〟の「法則」を使いこなすための、約10種類の「逆接」の接続語を紹介いたしましたざっくり〝前後「逆」関係になる言葉(語))

 

 

回では、なぜ逆接の後は〝強調〟される!、ということで、それは「譲歩」と「逆説」の関係に理由がある、いうところにまで触れました。

 

 

今回は、その譲歩と逆説の関係、すなわち【譲歩-逆説構文】ついて、考えていきたいと思います。

 

この【譲歩-逆説構文】って、名前からして難しそうですが、その原理がきちんと理解できると、なぜ逆接の後は〝強調〟されるのか!?、という理由もわかってきますので、しっかりとマスターしていきましょうね。

 

YouTube にも解説動画をアップしています。是非こちらもご覧ください。

<現在作成中です。しばらくお待ちください>

 

回 なぜ「逆接」のあとが〝大事〟なのか?③~譲歩と逆説の関係~

〝色〟を使い分けていますが、それぞれの〝色分け〟に意味がございますので、その点に注意をしながら読んで頂けますと、わかりやすいと思います。

 

 

 

皆さん、「譲歩」や「逆説」という言葉を聞いたことはございませんか
聞いたことがあるという方は相当の〝優等生〟ですね。

ちなみにここでの「逆」は「説」の方の「逆説」です。英語(カタカナ語)では「パラドックス(paradox)」といいます。

 

 

「譲歩」ってなに?

では、まず〈譲歩〉(じょうほ)の意味から説明いたしましょう。

〈譲歩〉とは「自分の意見・主張をいったん引っ込め、自分とは異なる(逆の)意見・主張をいったん認めることです。

 

すなわち、〈譲歩〉とは自分とは異なる相手を認めることなのです。

 

 

そこで、前回の〔例文〕をもう一度ご覧下さい。

・雨が降ったみたいだが、洗濯物はそれほどぬれなかった。
 

ここで、言いたいことは(あえて言うならば)
「えっ、雨が降ったみたいだよー!」ではなく、「ラッキー、洗濯物ぬれなかったよー!」ということでしたね(逆接「だが」の後がPOINTでしたね)。
 

 

でも、自分の意見とは異なり「雨が降ったみたいだよー!」という意見を重要視する人が中にはいるかも知れません

そういう相手に対し「たしかに雨が降ったみたいだねー」いったん認めてあげるのです

 

このように自分とは異なる(逆の)意見・主張の相手いったん認めることを〈譲歩〉といいます

 

 

 

「譲歩」しっぱなしでよいの?

〈譲歩〉とは相手を認めることでした。しかし、相手を認めっぱなしで良いのでしょうか?

 

評論文はあくまでも自分自身の「主張」を論ずるものでしたよね。

 

したがって、上記の例文も、しかし、洗濯物ぬれなかったよー!」とくつがえすのです。


このように、
自分とは異なる「雨が降ったみたいだよー!」の意見・主張に対し、「逆接」を用いてひっくり返し、「でもねー、洗濯物ぬれなかったよー!」という自分の意見を主張するのです。

 

 

「譲歩」と「逆説」の関係

このように
自分の意見・主張をいったん引っ込め、自分とは異なる相手の意見・主張をいったん認める、すなわち〈譲歩〉した上で、〈自分の意見を主張する〉のパターンを【譲歩-逆説構文】と一般的にいいます

 

ここでのPOINTは、「譲歩」しっぱなしで終わることは基本的にないということです。



〈譲歩〉を導く言葉を覚えよう!

では、ここで〝〈譲歩〉を導く言葉(語)を覚えておきましょう。

・たしかに もちろん なるほど もっとも 普通は 一般(的)に など言葉(語)のがございます。

 

どれも、「相手を認める言葉」になりますよね。

 

「普通は」「一般(的)に」は、「通説(一般論)」を譲歩する語として用いられます。

 

 

「譲歩」のあとには〝自然〟と「逆接」がくる ?!

 

では、上記の〈譲歩〉を導く語を使って、一度〈短文〉を作ってみましょう

 

例)「たしかに(もちろん)君の言うことは正しい。……………………
 

 

そうですよね!たしかに(もちろん)君の言うことは正しい」で終わってしまうのは、何か変ですよね。

 

このあとに、「しかし」などの逆接の言葉を用いて、「自分は……………だ!」と、「主張」してしまいますよね。





 

〈譲歩〉を導く「たしかに」や「もちろん」の後には、自然と「逆接」の言葉がきて自分の意見を言ってしまいますよね。

 

これを【譲歩ー逆説構文】といい、〈譲歩〉後の、「逆接」のあとが〝強調〟される理由なのです。

 

なぜ、わざわざ「自分とは異なる意見・主張を一旦認め」〈譲歩〉させるのか?、についての解説はここでは省略させて頂きます。(どこかでお話する機会がございましたら、お話しさせて頂きます)


 

譲歩-逆説は〈小論文〉の〝テッパン〟

この【譲歩-逆説構文】は、〈小論文〉を書く際にも役立つ構文でございますので、知っていて〝損〟はございません。

ただし、〝ガチガチ〟の譲歩-逆説パターンはおすすめいたしません。どこかで〈小論文〉のお話をする機会がございましたら、お伝え致します。

 

 

 

 

3回 なぜ「逆接」のあとが〝大事〟なのか?③ ~譲歩と逆説の関係~まとめ

① 〈譲歩〉とは自分とは異なる相手を認めること「自分とは異なる(逆の)意見・主張の相手いったん認める」こと。

② 基本「譲歩」しっぱなしはありえない。

③ 【譲歩-逆説構文】 …相手をいったん認め「逆接」でくつがえし自分の意見を主張するパターン

④ 〈譲歩〉を導く言葉を覚えよう!(「たしかに」「もちろん」など

⑤ 〈譲歩〉の後には、自然と「逆接」の言葉がくるこれが「逆接」のあとが〝強調〟される理由

【譲歩-逆説構文】〈小論文〉の〝テッパン〟

 

 

実は、「逆接」語には上記の役割以外にも、もう一つ「役割」があるんですよね。
次回(第回)の記事では、「逆接」のもう一つ「役割」について紹介したいと思います。

 

 

最後までありがとうございました。

 

次回もよろしくお願いします。