まだ英語を習ったことのない子供のころ。
英語で書かれたTシャツを見て、不思議に思った。
A、B、C……アルファベットの文字は、日本語では「あいうえお」のどれに対応しているんだろう?
たとえば、A=あ、B=い、C=う ……みたいな感じなのかな?
もちろん、今思えば単純で浅はかな考えだった(子供だったということを差し引いても)。
日本語と英語では、言語構造が全く違うのだから。
さて。今、私はこう思う。
英語(だけでなくフランス語やイタリア語などアルファベット言語全般において)は、「(一般的に)綴りと発音が対応していないから難しい」と言われているが、はたして本当にそうだろうか?
たとえば、フランス語の「chat」という単語を例にとろう。
C、H、A、T というアルファベットを1音ずつ発音する。次に、これをだんだん早く発音していく。すると……「シャ(chat)」という音に聞こえないだろうか?
つまり、こういうことだ。
英語やフランス語などアルファベット言語は、アルファベットを1音ずつ発音していたものがだんだんつながって単語になったのでは?!
ずいぶん乱暴な論だと思われるかもしれないが、英語やフランス語の単語をじっと眺めているうちに、ふと、そんな気がしてきたのである。