映画「シェルブールの雨傘」
フランシス・レイの曲が美しく哀しい。
音楽だけでなく映像も切なくて美しい。
実はオープニングのシーンに「仕掛け」があるのに気付いた人はいるでょうか?
街を行き交う色とりどりの雨傘。
カメラは真上から傘の動きだけを映しています。カラフルな傘が行き交います。
傘と傘が出会って別れたり……
大勢の傘が一列にゆっくり進むのは、物語後半で出てくる葬列のシーンを思わせます。
そうです。この物語の概要をオープニングの傘のシーンで表しているのです!
カトリーヌ・ドヌーヴの歌声が大好きな歌手ダニエル・リカーリの吹き替えと知って驚きました。
なんと透き通った美しい歌声♪
全編セリフが歌という画期的な映画(ミュージカル)でしたが、違和感なく自然。
そして、ラストシーンが非常に切なくて胸が苦しくなります。
いえ、胸が苦しくなる人と苦しくならない人がいるでしょう。
人には2種類あります。
このラストに自分の一部を重ねて哀しく切なくなる人がいる一方で、全くピンと来ない人もいることでしょう。
前者の場合、この映画にどっぷり浸って心の中に雨が降ることは間違いありません。