火星の表面
1975年の9月、地球から発射されたバイキング2号は、333日の飛行の後、火星に到着しました。上の写真は、火星のユートピア平原に着陸したバイキング2号ランダーからの映像の一枚です。着陸の際、脚の一本が岩の上に乗ったため、ランダーは少々傾いた状態でした。
画面右にある円筒状の金属缶は、火星表面の地質サンプルを採取するための器具です。その左の方に、サンプラーが掘った溝があります。岩の多くに見られる凸凹は、これらの岩が形成された際、溶岩に含まれていたガスの泡によるものだとされています。
写真が赤っぽく見えるのは、火星全体を覆う赤い埃のためです。アリゾナの砂漠みたいな風景ですね。
火星と言えば、よく話題に上がるのが、同じくバイキング1号から撮影された、この写真です。中央上部の岩が人間の顔のように見えるということで「火星にはかつて高度文明が存在していた証拠だ」とする説があります。
1996年、NASAの火星探査機マーズ・グローバル・サーベイヤーに搭載された、高解像度のカメラによる写真。「火星の人面岩」があるとされるサイドニア (Cydonia) 地域を映しています。
横から見ると、人の顔ではなく、ただの丘であることが分かります。月の表面に見られるウサギのようなものだったんですね。それにしても、火星の表面をここまで鮮鋭に見ることが出来るというのは不思議に感じます。
こうして技術が発達するによって、人類の視野も広がっていくんですね。