何に向かって生きるか | 【 未開の森林 】

何に向かって生きるか

【 未開の森林 】

「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と、アメリカの心理学者・アブラハム・マズローは言いました。人間の欲求を5段階の階層で理論化した「マズローの欲求段階説」と呼ばれるピラミッド図はよく知られています。底辺に最も原始的な欲求が置かれ、人間はこれらが満たされると自然に高次の欲求を充足しようと行動するとされています。上の図は、このピラミッドを個人的に再解釈したものです。

【 未開の森林 】

今年の初めから考えていたことで、プラハで留まるか、ベルリンに移って新しい可能性を追求するか、判断に迷っていました。そうしているあいだ、つい2週間ほど前、ロシア人の素晴らしい女性との出会いがあり、熱い恋愛が芽生えました。それは僕にとって決定的な事件でした。そこで、もうしばらくプラハに居座り、人生において最も実現したいことを目指して一生懸命、頑張ることにしました。

プラハに移住してから2年半が経ちました。こんな美しい都市に住んでいることが、いかに恵まれたことか、幾度も実感させられました。英語教師としての仕事にも慣れてきました。目の前に置かれた状況に対して、誠実に働いているうちに、この自己実現のピラミッドが徐々に整ってきたということに、最近、気が付きました。

自分に潜在する能力と可能性を発揮していくこと。創作活動に専念して、自己表現を追求すること。現在の時点で、自分が最も求めているのは、自己の成長と成熟なのだと確信しました。これから、自分の人生をどう生きていくか。その究極的な質問の答えを見つけるために、自己実現理論は役に立つと思います。

【 未開の森林 】

晩年のマズローは「自己実現の欲求」のさらに高次に「自己超越の欲求」があるとしたそうです。自身の自己実現が展開していくにおいて、人は「地域社会や国家そして地球全体など、自分が所属するコミュニティ全体の発展を望む」とされています。