先週の「カズレーザーと学ぶ」をご覧になりましたか。
今回もなかなか面白かった。
テーマの一つとして、アマゾンの奥地に住むピダハンという部族(約300人)が紹介されました。
このピダハン族は、キリスト教布教のために彼らと接触した言語学者 ダニエル・エヴェレットによれば、「世界で最も幸福な部族」なのだそうです。(以下、同番組だけでなく、ネット情報も参考にしています)
なぜ、「世界で最も幸福な部族」なのでしょう。
まず、彼らは色を表す言葉、さらには、右や左や、過去や未来を現す言葉さえもっていません。
言葉をもっていないということは、そういう概念をもっていない、というか(前に書いた言霊にも関係があります)、そもそも抽象概念というものをもっていないのだそうです。
数字も過去も未来も抽象概念ですから、それらをもっていないピダハンは目の前にある「今このとき」しか認識していないということになります。
私たちには想像もできませんが。
彼らはアマゾンの熱帯雨林で暮らし、いまもジャングルの中で狩りや釣りを行い、原始時代に近いライフスタイルを維持しています。
当然ながら、ピダハン族にはカウンセラーも心理学者もおらず、向精神薬を飲むこともできません。
にもかかわらず、部族の中に自殺、不安障害、鬱病といったメンタルの問題はほぼ存在せず、怒りや落胆といった一般的なネガティブ感情すらないのです。
エヴェレットは、「先進国の暮らしはピダハン族よりずっと楽だ。それでも、私は普段の生活で気が狂いそうになることがたくさんあるのに、彼らにそのような兆候はない」と語っています。
もちろん、ピダハン族にも多くの苦難があります。
毒を持つ爬虫類や虫に襲われ、治療手段のない伝染病に怯え、土地に侵入したよそ者から暴力を振るわれることも珍しくありません。
にもかかわらずピダハン族は悩まないのです。
なぜでしょう。
彼らは物事をありのままに受け取り、実際に見聞きしたことしか話しません。
「魚を捕った」「カヌーを漕いだ」
「子どもと一緒に笑った」「友がマラリアで死んだ」
といった感じで、彼らの会話には過去と未来が存在しないんですね。
おかげで明日のことをくよくよと悩まず、過去の失敗にとらわれもせず、ただ目の前の現在だけを楽しめるわけです。
たとえば、「狩りで猛獣に襲われたらどうしよう」や「獲物が見つからなかったら飢えるのではないか」といった疑念が頭をよぎったとしても、そこから別の思考を展開させず、不安をこじらせるまでにはいたりません。
さらに言えば、たとえ狩りで傷を負っても「なぜこんな目に…」と嘆くことはなく、「この痛みで死ぬのでは…」などとおびえることもないのです。
怪我をすれば、「私はいま傷の痛みを感じている」という事実を受け入れ、あとはできる限りの治療をするだけ。
そして、未来を考えませんから、食べ物をどんな量でも保存しません。
基本的には手に入れたときに食べるわけです。
塩漬けや燻製などという肉の保存方法には見向きもしません。
ただし、吐き出された種子から成長するマニオク植物を栽培し、一度に数日分のマニオク粉は作るそうです。
そして、ブラジル・ナッツを、消耗品や道具(マチェーテ、火薬、粉ミルク、砂糖、ウイスキー)と交易します。
ですから、男性は交易で入手したTシャツとショーツを着用し、女性の無地の綿のドレスを縫って身に着けています。
長くなったので、続きは明日。
では
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