結構古い作品ですが「最高の人生の見つけ方」という映画があります。
ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの二人のオスカー俳優が共演していることで話題になったので、ご覧になった方も結構いるんじゃないかな。
以下にストーリーを簡単に説明します。
自動車整備工のカーターと大金持ちのエドワードが入院先の病院で相部屋になります。
２人には何の共通点もなかったのですが、共に余命半年の末期ガンであることから仲良くなり、カーターが死ぬ前にやっておきたいことをメモした｢棺おけリスト｣を実行することにします。
そのやりたかったことというのは、タージマハル、ピラミッド、ヒマラヤを巡ることや、レーシングカーでの対決、スカイダイビング等々です。
そしてその旅を通じて二人はかけがえのない友情を築き、それぞれが心から求めていたものを見出し、一番大切なことを再確認するわけです。
ところで、私はこの映画の批評をする気はまったくありません。
ただ、死期が迫ったからといって、最後にやりたいことをやるというのが、何か違和感があるんですね。
誰でも人生に悔いがあります。
やり残したことも沢山あるでしょう。
しかし、だからと言って、死ぬ前にあわてて人生の帳尻を合わせようとするのは未練がましくて、見苦しいですね。
大体、そんな贅沢が許されるのはごく一部の人でしょうし(お金の問題ですね)、普通は死期を知ることもできません。
そう言えば、役所広司さんが主演した「象の背中」も同じような内容でした。
この映画は、ガンで余命少ない主人公が残された時間を精一杯生きようと考え、初恋の相手や、ケンカ別れしてしまった昔の親友、絶縁していた実兄など、悔いを残す人たちと再会していく話です。
しかし、この主人公も甘えていると言うか、都合のいい考えを持った自己中心的な人ですね。
自分の死期が近いからといって、今までのさまざまなしがらみが帳消しにできると思っているんでしょうか。
主人公は懐かしいかも知れませんが、向こうはどう思うかわかりません。
かえって迷惑がられる可能性もあります。
私だったらケンカ別れしたり、絶縁していた親類とまた会おうなんて思いません。
やり残したことをすべてやってしまおうなんてことも思いません。
特別のことをせず、そのまま普通の生活を続けていきたいですね。
そして余り人に知られずに淡々と死んでいきたい。
今のところはまあまあ元気なのでもう少し先のことかなあ(希望的観測)。
すでに書いたように人生は後悔の連続です。
あの時こうすればよかったとか、こうしなければよかった等々。
別に死ぬ前でなくともこういった考えに捕らわれる人は多いでしょう。
しかし、言ってみればそれが人生なので、初めから最後まですべてが上手く行くことなんかあるはずがありません。
あの時こうしておけば良かったと何度も繰り返して考えるのは時間の無駄です。
ましてや人にそんなことを言って、同意というか同情を求めるのは甘えでしかないでしょう。
ついでにいっておくと、今度生まれる時はサッカー選手やプロゴルファーになるとか言う人がいますが、なんというか、大変厚かましい考えですね。
仮に生まれ変わることがあっても自分の思うような人生を歩めるはずがありません。
それに今までの人生を後悔し、別の道を選択したらよかったと考えても、実際に別の道を選んでいたらまた別の後悔があったでしょう。
どんな人生にも後悔はつきものです。
人生は取り返しがつきません。
それでいいんですね。
では。
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