昨日のジプシー児童スリ団の話に続き、今日は地下鉄スリの話をします。

 

パリ市は縦9キロ、横12キロで、よく言われるように東京の山手線の内側に相当する大きさです。

 

そして、この中に15本のメトロが縦横無尽に走っています。

 

中心地ではものの500mも歩くと地下鉄に乗ることができるわけです。

 

だから市内に住んでいる限り、車に乗る必要はまったくありません。

 

閑話休題。

 

それでスリなのですが、大体、中南米人やアラブ系とおぼしき、比較的若い奴らが多いんです(個人的経験から)。

 

彼らは数人で行動し、乗客が乗り降りする時に挟むようにします。

 

前でわざともたもたして、カモを立ち止まらせ、後ろの仲間がポケットを探るんですね。

 

危ないのは、掏られたことに気づいて捕まえようとすると、ナイフを出して向かってくることです。

 

それで命を落とした可哀相な旅行者がいます。

 

私は慣れていたので(昨日も書いたように2回被害にあっています)、スリは勘でわかりました。

 

意味なく人の後ろに立とうとする人間は怪しいということです。

 

大抵は警戒されていることを悟るとすぐに諦めて離れていきますが。

 

一人の時はそんな感じで危険を回避できるのですが、客と一緒に地下鉄に乗らなければならないときに(普通はタクシーを使います)、目を付けられた時は困ります。

 

一度、4〜5人のグループを連れて、メトロに乗ろうとした時、2人組のスリに狙われました。

 

前と後ろについたので、後ろにいた奴に順番を譲り、先に乗らせようとしたのですが、当然乗りません。

 

私たちはぎりぎりまで待ちました。

 

先に乗っていたスリの一人が私たちに乗れとジェスチャーで合図します。

 

無視すると、次の電車で狙うことにしたのか、諦めて降りました。

 

あまりにも露骨な行動だと思うのですが、絶好の獲物(私たちのことです)を前にして、そんなことにまで気がまわらなったのでしょう。

 

しかし、私たちはそいつと入れ替わりに電車に乗り込みました。

 

スリたちは二人ともあわてて乗り込もうとしましたが、遅すぎました。

 

鼻先でドアが閉まると、彼らはあっけに取られたような顔をして私たちを見ました。

 

私は笑って手を振ってやったら、スリの一人は中指を立ててfuck youポーズを返しました。

 

私が引率していた客たちははっきりとは飲み込めていなかったようですが、うまく私の指示に従ってくれたので事なきを得たわけです。

 

もう少し続きます。

 

では