日本でも時々、無差別殺人事件が発生します。
かなり前のことですが、駅のホームから何の関係もない男性が突き落とされたなんてこともありました。
この事件は、毎日通勤している人たちにとってはかなりショックだったでしょう。
私は自宅でできる仕事をしていますから、あまり心配はないんですが、それでも2〜3ヶ月に1回くらいは電車に乗ります(少ないでしょう)。
それで、その時は電車を待つ列の先頭には立ちません。
誰もいない時でも、ラインぎりぎりには立たないですね。
そして、常に後ろに誰が立つかに注意しています。
これは昔からのクセなんです。
パリでも一度、メトロの駅でホームレスが見も知らぬ男性を突き落とすという事件がありましたが、私のクセはそのためではありません。
パリにはスリが多いからです。
フランスのスリは大体、2人組で電車に乗り込む人の前と後ろについて挟みます。
そして、前のスリがわざともたもたしている間に、後ろの仲間がポケットを探るんです。
私は何度もスリに会っていますので(被害にあったのは1度だけ)、なんとなくスリを見分けることができるようになりました。
しかし、スリを見つけても捕まえようとすると反撃されて危険ですから(実際にそれで殺された人がいます)、逃げるしかないんですが。
だから、できる限り挟まれないように、列の最後尾につくようになりました。
よく座りたい一心でできる限り早く電車に乗ろうとする人がいますが、ちょっと危ないですね。
残念ながら、日本でもこうしたことに常に注意しなければいけない時代になったようですから。
話は少々ずれますが、無差別殺人事件に関連して、あるニュース系のテレビ番組で、「あなたは自分の子供が絶対にこうした事件を起こさないと言えますか」とのアンケートをしていました。
確か6割くらいの回答者が「ハイ」と答えていたと思います。
その理由としては、子供を信じているからというのが一番多かったのですが、しかし、これは根拠としては弱いですね。
コメンテーターの一人は家庭は安らぎの場だから、子供を信用しないではやっていけないとの意味の発言をしていました。
これなんかまったく理屈になっていません。
こういう親たちが、子供が事件を起こした時に、「うちの子供に限って」なんて言うんでしょうね。
まあ、中にはひどい不良の子供を持っていて、何か事件を起こしてもやっぱりなんて思う親もいるかも知れませんが、大抵はただ単に子供を信用していると思いたいんです。
きちんと教育をしているという人たちが結構多かったのですが、ホーム突き落とし殺人の容疑者の少年の父親も同じことを言っていました。
私は、別のコメンテーターが言っていた「事件を起こす可能性があると考えていた方が実際に何かあった時にショックが少ない」との意見に賛成です。
それから青少年を対象としたアンケートでは、3割ほどの回答者が「自分も人を殺すことがあるかも知れない」と答えていました。
テレビではこれを驚くべき結果だといっていました。しかし、まあ実態はこんなものでしょう。
私にいわせれば、絶対に人を殺さないなんて言っている人は想像力が足りないだけです。
犯罪者と普通の人間の間にほとんど違いなんかありません。
確かに生まれつきモラルが全く欠けている人間は存在しますが、犯罪者の多くは単なる不運のために犯罪を起こしただけです。
自分にせよ、子供にせよ、犯罪を犯さなくて済んでいる幸運に感謝すべきでしょう。
では