昨日は雨が降ったようですが、
朝方は晴天になっておりました。
本日も、皆様に楽しんで頂ける事を祈りつつ、
「ジアルの日記」をお贈り致します。
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「2407年1月24日。
『・・・すごいわ。』エナブランを傷つけないように平静を保とうと決めていたのだが、思わず声が出てしまった。舅のテインは修羅場をくぐった人だけが出来る笑顔で苦笑いし、夫のエリムは溜息をつき、父は頭を抱えた。私の母と義母のイリアナさんは、茫然とした顔つきで転送室に実体化したエナブランの荷物を見つめている。直径45センチほどの灰色の半球形の塊が3つ。これはベイジョーの保安士官でなくても怪しむだろう。エナブランは呑気にも、『いいでしょ、包装のプロに頼んで、中のお菓子が一番劣化しにくいパッケージで包んだんだよ。』などと言っているが・・・
『上から綺麗な包装紙で包んだ方が良かったかもしれないわね。』イリアナさんが助言したのだが、『どうして?中身は同じケーキだけど。』やはり、エナブランには話の根本が分かっていない模様だ。
どうやって常識というものを分かってもらおうかと大人達が顔を見合わせていると(秘書のガダラさんはラルカ星の社会学者の聞き取りに協力してくれていて、今この家にはいない。)、ケーキ生地をエプロンにまだら模様に付けたミラが転送室に入ってきた。一瞬で状況を察したようで、『お兄様。包装紙で包むと、評判が良くなる上に怪しまれないのよ。』と指摘したら、エナブランは納得したようで、『うん、今度から包装するよ。お父様、ガダラさんにあげようと思っていたプレゼントの包装もベイジョーの検察に開けられちゃったの。包装しなおすのを手伝ってくれませんか。多分その方が喜ばれるよね。』そう答えて、エリムと一緒に転送室から出て行った。『あの子は本当に分かったんだろうか。』後ろ姿を見ながら父が言うと、ミラは、『お兄様はそうするものだとは分かったけれど、理由は永久に分からないと思うわ。あの感性だもの。』そっけなくミラは言うが、何か不満そうだ。『どうしたの?』と訊いてみたら、ミラおばあちゃまに言われたとおりに作ったのに、ケーキが膨らまなかったのでご機嫌斜めなのだという。どういう訳か、あの子は状況や人の顔色はよく見えるのに、ケーキの生地の状態は全く見えないようだ。エナブランはその逆という事になる。世の中はままならないものだ。夜の大人だけのリキュールタイムにその話をすると、テインは笑いながら、『オーダーの幹部と軍の司令官だった人物に対して、あそこまで対応に困る事態を起こせるのは一種の才能ですよ。』と仰っておられた。果たして笑って済ませられる事だろうか。明日は、そのエナブランが立てた商業プラン『エケケイリア』のプレゼンを聞きながら、この灰色の荷物の中身の菓子を試食する事になっている。」
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本日の「技術担当者の奇言」。
「一番損をしなくて利益率のいい投資は、
『健康的な食事』なのかもしれませんね。」
皆様も、佳い一日をお過ごしください。




