今日は。
本日の日高見の地は、
かなりの寒さとなっております。
また、在住の地域では、水飢饉が起こりそうで心配です。
本日も、皆様に楽しんで頂ける事を祈りつつ、
「ジアルの日記」をお贈り致します。
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「2406年12月3日。
今日の午前中、ミラさんは買い物に出かけていて、夫のエリムは珍しく自宅で書類作り等をしている。舅のテインは会社と「建築現場」に行って遅くなる、と仰っておられた。私も「ピオニー」編集部から頼まれたイラスト描きと、午後から通信申請が入っているので、その対応に当たる為に家にいる。
ブリデザで息子エナブランの秘書官であるガダラさんからの「報告」と、クワークからの通信なので、仮宮で受けるまでもないだろう。
気分転換に、この前市場で買ってきた「ホンビノス」と、「スカラップ」という貝でディープパイを作り、エリムと2人のランチにした。何でも、地球系の生産者が陸上養殖しているものだそうだ。なかなか美味しいものに仕上がった。『こうしていると、新婚夫婦になったみたいだね。』と言って、エリムは嬉しそうだ。デザートまで終わった処で、前から気になっていた事をエリムに聞いてみる事にした。ディープ・スペース・ナインでダマールに撃たれた時、私はどうして助かったのか、詳しい状況を未だに誰からも聞いていない。そろそろ聞いてもいい頃だと思う。エリムは難しい顔をして、『私も実際にその場にいたわけではないけれど、』と前置きして話し始めた。私と話をしていた父は、後ろに殺気を感じてとっさに私を突き飛ばしてくれた。おかげで心臓を撃たれる最悪の事態は避けられたのだが、私も父も動脈に損傷を受けてしまった。エリムがディープ・スペース・ナインに再び入った時に見たのは、私の止血をしようと悪戦苦闘している父の姿だったという。『ドクター!早く娘の止血手術をしてくれ!』と言っていたそうだ。『私の血液は娘に輸血出来る!早くしてくれ!』『しかし、貴方も失血状態になってしまいます、危険です!』とドクターは答えたそうだが、『認証でも同意書にサインでも何でもする!娘が助かればいいんだ!』父は答えた。お父様はそこまで言ってくれたのか、と思うと、涙がこぼれてきた。『君がそういう反応をすると分かっていたから、口止めされていたんだよ。』気まずそうなエリムの声が聞こえたが、どうしようもない。その時、手にざらりとした猫の舌が感じられた。目を開けると、ジュリが膝に乗っている。泣いているのを心配してくれているのかと思ったら、好奇心で目を輝かせている。手に涙が落ちると、それを嬉しそうに舐めているのだ。私の涙が止まると、ジュリは無邪気に私の頬を前足で触ってきた。思わず私が笑うと、ジュリは何かを聞きつけて膝から降りていった。今度は母親猫のニャーニャがひざ掛けを引っぱって私の足元でニャーと鳴いた。抱き上げて膝に乗せると、丸くなって喉を鳴らしている。気を使ってくれているのかいないのか、猫というのはいつまで経っても不思議だ。ニャーニャを撫でていて気が付いたのだが、『それなら、父はどうして助かったの?』と、エリムに聞いた。『そこからは、私が説明する。』と言いながら、父が食堂に入って来た。『皮肉なものでな、ドクターはガラックが怪我をした場合に備えて血液合成に必要なデータを持っていたんだ。その血漿成分だけを合成して私に輸血した事で命は助かったんだよ。』『お前はタイミングにだけは恵まれているな、デュカット。』渋い顔でエリムは答えた。『話すなと言っておいたのに。ところでガラック、事務所のコンピューターソフトのアップデートのせいか、おかしな味のラクタジーノがフードディスペンサーから出るようになって困っているんだ。直してくれないか。』
『分かった、コンピューター室から遠隔で直そう。話もあるしな。』と言って、エリムは部屋を出て行った。入れ替わりにジュリがボーイフレンドのナマリちゃんを連れて部屋に入って来た。ミラさんも買い物から帰って来て、今日の昼食の話をしたら、『まあ、スカラップという貝は気味が悪くて手出し出来ずにいたけれど、美味しいのね。』と、目を丸くしていた。そして皆が家に帰ってきてすぐに、エリムがこの前言っていた「カーネリアンの布地」が家に届いた。送り先はカーデシア本星の有名な染色工房だ。どうやってこんなに早く送ってこられるのか不思議だ。ただ、送り状には、「媒染材を間違えておかしな色に染まった布地を、地球人のオオタさんが沢山買っていっただよ、本当に大丈夫なのかね、王婿殿下。」というキゴリ語の添え書きがあった。安心してもらう為に、私からも一言言っておく必要があるだろう。その後、ガダラさんとクワークからの通信を受けた。ガダラさんからは、『エナブラン様が、例の古文書喫茶店に行く手立てを考えたと言っている』という報告と、『西大陸の高地に自生する背の高い雑草を大量に買い込んで、孤児院の子供達と共に茎の皮を剥いて干しているが、放っておいて大丈夫だろうか。』という話だった。私はあの子の事だから、何か役に立つと思って行動しているのだろう、そのままにしておいていい、と返事をした。クワークからは、『エナブランが緑色のカエル革で装丁された「ウォーレン・バフェット」という地球の偉大なビジネスマンに関する素晴らしい資料のフェレンギ語訳を「誕生日プレゼント」だと言って送ってよこしたんだ、カーデシアの王太子が肉筆で書いた本だ、将来ひと財産になる代物だぞ、それを「おじさんが喜んでくれればそれでいいよ。」って言うんだ、お宅の金融教育はどうなっているんだ!』という内容の通信だった。その後、エナブランがディープ・スペース・ナインに来るのは何時ごろになるか教えてくれ、それなりに饗応するから、とも言っていたが。エナブランは彼方此方の人に気を使ってもらえる有難いめぐりあわせになっているようだ。」
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宜しければ、
「ロドピス 仙台」
「新案工房R」
のショップページもご上覧ください。
本日の「技術担当者の奇言」。
「シュークリームの形に膨れている白鳥は
完全にキレているのですね。近づかない方がいいです。」
皆様も、佳い一日をお過ごしください。




