こんにちは、土井英司です。
昨日は帰国して、ひさびさに日本のお酒が飲みたくなったので、夜タクシーで歌舞伎町へ。乗り込んだタクシーの運転手さんが妙に礼儀正しいので、職歴やら業績やらシフト体制やらを限られた時間で聞いてみました。
彼は現在、タクシー運転手6年目。聞いてみたら、タクシーの運転手さんというのは、かなりの長時間勤務で、その代わりに3時間の休憩時間が取れるのだそうです。もちろん、この3時間の割り振りは個人に任せられているので、人によって休憩の取り方はバラバラです。
彼の場合は、昼と夜に食事をして、それぞれ体力回復のために仮眠を取るのだそうです。
面白かったのは、この後のタバコの話。
多くのタクシー運転手は、タバコを吸うために休憩するのですが、タバコを吸うとどうしても2時間おきぐらいに「ヤニが切れる」状態になるそうで、その度に休憩してしまうのだそうです。
「私ももともとはタバコを吸っていたんですけどね」
と言いながら、運転手さんは続けて言いました。
「タバコを吸っていると、どうしてもヤニが切れて、一番仕事がノッている時にタバコを吸いたくなる。これがムダじゃないかと思い出したんです」
「周りの吸っている人を見ると、やっぱりヤニが切れる度に休憩しているので、結局3時間じゃなくて、5時間ぐらい稼働していないことになる。これじゃ業績は上がりませんよね」
「そこで、<1日だけ>止めてみたらどうなるか試してみたんです。そうしたら思いのほかできてしまって、業績も上がりました」
入社6年目で、まだ感性がフレッシュだからこそ、客観的になれたのでしょう。では、一体どれぐらい業績が上がったのか?
「2〜3割、売上が上がりました。これを知ってからはもう、タバコを吸いたいとは思わなくなりましたね」
タクシー会社の経営者のみなさん、いかがでしょうか。業績を伸ばすのにベンチマークすべきなのは、じつは「禁煙」という指標かもしれませんよ。
もし本当に2〜3割売上が上がるのなら、仮眠時間を1時間増やしてあげて、その代わり禁煙させるのが、正しい経営かもしれません。
そして喫煙者のみなさん、知らず知らずのうちにタバコが生産性を落としていることに気づきましょう。
どうしても禁煙できない時は、ぜひ出版界が誇る大ベストセラー『禁煙セラピー』を読んでみてください。
営業本の名著『私はどうして販売外交に成功したか』で、著者のフランク・ベトガーは、訪問回数を増やすことの重要性を説いていますが、そのためには「時間」が必要です。
喫煙した方がエネルギッシュになって業績が上がる、なんていうのは幻想です。業績を上げるのに必要なのは時間なのです。
時間の使い方を見直す。これこそが、デキる人になるための仕事の王道です。
今日も良い仕事をしましょう!