こんにちは、土井英司です。

 

今日は、「一生お金に困らない考え方」というテーマでお話します。

 

通常、お金の方程式というと、(収入−費用)×運用で表現しますよね。つまり、収入から使っている費用を引いて、残った貯金を運用する、というイメージです。

 

ところがこの方程式には、問題があるのです。表面的にそのまま受け取ると、貧しい生き方になってしまうのです。

 

お金持ちというのは、余剰(遊んでいる資産)を運用して、それだけで日々の収入がまかなえる人のことを言いますから、豊かになるには余剰が必要。でも、これだけを伝えると、普通の人は収入を増やすか、節約するかという、二択になってしまうのです。

 

節約は大事なことですが、やり過ぎると、貧しくなります。お金に振り回されて豊かな暮らしができなくなったり、ストレスをためてしまうのです。ストレスは、人間関係の危機にもつながるので、やり過ぎはよくありません。

 

収入を増やす方にも、問題があります。サラリーマンなら「高い年収」、アルバイトや水商売なら「高い時給」を目指すわけですが、これは「貪(むさぼ)る」生き方です。相手(雇用主やお客)が喜んでいるとは限りません。喜んでいなければ、その収入はいつか途絶えます。一番最初にクビを切られるのは、「割高」な人間なのです。

 

では、どうすれば豊かに余剰を増やすことができるのか。ここがポイントです。

 

節約であれば、固定費を削ること。これは、横山光昭さんがベストセラー『年収200万円からの貯金生活宣言』で述べていたことと同じですね。

 

横山さんは本書で、「ムダな固定費ワースト10」というのを挙げていました。ちょっとご紹介しましょう。

 

◆ムダな固定費ワースト10
1位 ムダな会話やメールのもととなる携帯電話代

2位 意味のない飲み会の交際費

3位 ぜいたくなまでの食事
4位 保障内容も知らない高額な生命保険料

5位 不健康のもととなるタバコ・お酒などの嗜好品

6位 近所をうろつくための車のローン・ガソリン代
7位 意味のない飲み会の帰りのタクシー代
8位 毎日の高カロリーな外食ランチ

9位 自分の口座なのに下ろすたびに引かれるATM手数料

10位 惰性で買う雑誌やマンガ

 

一個一個解消するには、じつはまた考え方の変革が必要なのですが、これはまたおいおいご紹介しましょう。言いたいのは、固定的にかかっている費用を削れば、ストレスなく節約できるということです。

 

そして、次に述べたいのが、収入の増やし方。単価を上げて貪る考え方ではなく、提案したいのは、「数」と「時間」のマジックを使うやり方です。

 

ビジネスにおいて売上は、客単価×客数ですから、客単価を上げるやり方は、一つのやり方に過ぎない。客単価を上げると良い場合は、価格を上げることによってお客様の豊かさが増す場合です。価格を上げることによって「ステイタスが上がる」「変な人が来なくなる」「プライバシーが守られる」「宣伝効果がある」などの効果があるなら、それは良いやり方です。

 

でも、世界のビジネスを概観すると、客単価を上げるビジネスで本当に豊かになる人は少ないという事実を知るべきです。高級ブランドよりも、庶民向けのビジネスの方が、最終的にはものすごく大きくなるのが、ビジネスの世界の常識です。だからフィアットがフェラーリやマセラティを買うんです。

 

では、どうすれば単価を上げずに収入を増やせるのか。答えは、時間あたりのお客様の数や満足を増やすことです。

 

カット代を1000円に値下げしても、10分で満足できるなら、さばけるお客様の数が増えるだけ、ビジネスする側は得をする。上質なステーキ肉を使っても、立ち食いで回転率が上がるなら、利益はべらぼうに増える。

 

企業の利益も、そこからもらうみなさんの給料も、結局は「時間あたりのお金」を増やすことで増えるのです。だから、これからは、どれだけお客様の数を増やせるのか、どれだけ時間あたりの回転数が増やせるのか、と考えるのが正解です。

 

そして最終的には、「タダの物を活用できないか」を考えるべきです。遊んでいるマイカーや自宅を活用する提案をして成功したのはUberやLyft、Airbnbでしたが、これらの企業が驚くほど伸びているのは、いまさら言うまでもないでしょう。

 

お金を生み出そうと思ったら、お金の方程式を学ぶだけではなく、工夫が必要なのです。

 

どうすれば自分もお客様もハッピーになって、客数が増やせるか、回転数が上げられるか。これを考えることによって、あなたは無理なく豊かになれるのです。