こんにちは、土井英司です。

 

以前、レコードレンタルビジネスの開発者として知られる牛久保洋次さんにお会いした時、「土井さん、ビジネスには『伸』の要素が必要なんだよ」と言われました。

 

伸=伸びる要素

 

伸びるとは一体どういうことなのか。

それは、ビジネスが「時代のテーマ」を持っているかどうかだと思いました。

 

今で言うならば、「エコ」と「多様化」。世界は省資源の方向性に向かっており、それだけにすべてがつながって全体最適を図るビジネスが伸びています。かといってそれらが、効率一辺倒の画一的な商品・サービスを提供しているかというとそうではない。買い手の個性に合ったユニークな商品・サービスを、瞬時に探し、なるべく賢く買うためのプラットフォームを提供しています。

 

アマゾンしかり、Uberしかり、Airbnbしかり、メルカリしかり。伸びているビジネスはみんなそうだと思います。

 

これらの企業は、かつて高かった「取引コスト」を大幅に減らし、不要なものを持つ売り手と、それを買いたい買い手をつないでいます。

 

では、なぜこれが「伸」の要素になるのか? それは、物質的に満たされた人々は、必然的に不要なものを手放し、自己表現につながるものは、何としてでも手に入れたいという欲求を持つからです。

 

豊かな人にとって、不要なものに囲まれた生活は幸福ではありません。また、どれだけモノがあっても、本当に欲しいものがない生活は惨めな生活になるのです。

 

今、人々は不要なものを手放し、本当に必要なものだけを取り入れようとしています。必然的に、買い物には慎重になりますし、

なるべく所有するより使用することで済ませようとするでしょう。

 

ビジネスや雇用の流動化も、持たないトレンドに拍車をかけています。次はどこが経済の中心地になるかわからない。交通網がどう発達し、どこの不動産価格が上がるかわからない。どこで自然災害が起こるかわからない。

 

そんな時代には、人はなるべく持たずに、身軽になりたいと思うものです。

 

そんな時代に売れるのは、アートのような本当に価値ある個性的なもの、そして質が良くて買い換えられる消耗品です。

 

現代アートの世界的イベント、アート・バーゼルは年々伸びていますし、無印良品も好調です。

 

小さな会社は、アマゾンやUberになれるわけではありませんから、このトレンドを理解し、唯一無二の希少な商品を世に出すか、質を重視した経営をするのが正解でしょう。

 

昨日は、群馬県高崎市にあるカリスマスーパー「まるおか」の本をご紹介しました。

 

『おいしいものだけを売る 奇跡のスーパー「まるおか」の流儀』

 

これからの商売の、一つの方向性を示した本だと思います。ぜひ読んでみてください。