こんにちは、土井英司です。
以前、辻・本郷税理士法人の本郷孔洋理事長(当時)と会食した時、本郷さんがこんなことをおっしゃっていました。
<土井君。詰まるところ、ビジネスは「力」だな>
長年、日本最大の税理士法人のトップを務め、名立たる上場企業経営者と対話してきた経営のプロが、ビジネスは「力」であると喝破したのです。
この「力」とは何なのか。
力には、影響力、権力、暴力など、さまざまなものがありますが、ビジネスにおいて大事なのは、「交渉力」ではないかと思います。
影響力は、宗教の得意技。権力は政治の得意技、暴力はマフィアの得意技です。似た力をビジネスで行使している会社もありますが、基本的に、経営者が使う武器は「交渉力」なのだと思います。
交渉力があれば、自分で値決めができる。値下げ圧力に屈しなくていい。
そのために何をすればいいかというと、「希少性」を作ること。
交渉では、「0(ゼロ)にできる」権利を持っている方が勝ちますから、もしみなさんがビジネスで「希少性」を持っていて、みなさんが断った場合、相手が「何も得られない、他では調達できない」状況が発生した場合、みなさんは交渉で優位に立つことができます。
じつは、ビジネスにおける利益とは、交渉力から発生するのです。
以前、堀江貴文さんが、『「なんで保育士の給料は低いと思う?」低賃金で負の循環』(朝日新聞デジタル)という記事に対して、「誰でもできる仕事だからです」とツイートして炎上したらしいですが(『自分のことだけ考える。』ポプラ社)、これも正確には、「交渉力がないから」なのです。
そしてこの交渉力というのは面白いもので、「あると思えばあるし、ないと思えばない」ものなのです。
FBIアカデミーで「交渉学」の講義を担当したというハーブ・コーエンさんは、名著『FBIアカデミーで教える心理交渉術』で、こんなことを言っています。
<どんな力も自覚の上に成り立っている。自分に力があると思うならあるし、ないと思うなら、たとえあったにしてもないことになる。つまり、力をつけようと思ったら自分には力があると信じ、人生の出会いをかけひきとして受けとめることだ>
保育サービスと水は、買い叩かれているものの代表ですが(「安ければ安いほどいい」と思われている)、子どもの命を預かる保育サービスと、われわれの命に直結している水が、本来安いはずがない。ただ、関係者が「交渉術」を軸にビジネスを創る方法を知らないだけなのです。
土井は個人のブランディングについて10年以上教えていますが、その軸にあるのは、誰も真剣に取り組もうとしないこの「交渉力」です。
近いうち、自己プロデュースのセミナーを本格的に始める予定ですので、どうぞお楽しみに!