こんにちは、土井英司です。

 

今日は、「努力」と「工夫」の違いについてお話します。

 

日本人はとかく「努力」が好きですが、時代の転換期には、報われない努力をする傾向があります。時代が変われば新しい時代に合わせた「工夫」というのが必要になるのですが、ここを怠っているのですね。

 

そこで「努力」とは何か、「工夫」とは何かを具体的に論じて行こうと思います。

 

土井の定義では、努力とは、入力する数(=インプット)を増やすこと。工夫とは、方程式を変えることです。

 

たとえば、こんな簡単な数式で考えてみましょう。

 

(A)Y=x+3

(B)Y=4x+3

 

AとBの式で、みなさんが努力(x)を1加えた時、結果はどう違いますか?

 

Aなら結果は4、Bなら結果は7になりますよね。

では、みなさんがAの方程式で努力(x)を2倍するとして、結果はどう変わるでしょう?

 

Aの方程式の中で努力を2に変えても、結果は5。一方、Bの方程式で努力が1だったとしても、やはり結果は7になります。2倍頑張ったとしても、Aの方程式でいる限り、Bには勝てないのです。

 

では、努力を3に変えたらどうでしょう?

Aの方程式で努力を3にしても、結果は6。まだBには勝てません。

 

これが現実の仕事だった場合、みなさんの身体はおそらくボロボロだと思います。だって同じ人間が3倍働くのなんて不可能ですからね。

 

現実の仕事の方程式は、こんなに単純ではありません。もっと複雑な方程式です。だとすると、工夫は、努力を凌駕する可能性が高いですよね。

 

鈴木博毅さんのベストセラー『「超」入門 失敗の本質』に、こんな名言がありました。

 

「戦略とは追いかける指標のことである」

 

そう。リーダーの仕事は、今、効果的な「指標」を見つけ、みんなの力をそこに向けること、マネジャーの仕事は、みんなの「努力」が、この「指標」に正しく組み込まれるよう、方程式を組み、それを守らせることなのです。

 

だから、現場の「努力」が報われない時、それは明らかにリーダー、マネジャーが力不足か、仕事をサボっているのです。

 

自分一人で仕事する場合でも、リーダー・マネジャー/現場のそれぞれの顔を持ち、「努力」と「工夫」をバランス良く行うことが必要でしょう。

 

「努力」は美しいことですが、それは「工夫」があって始めて報われるものです。仕事に取り掛かる時は、まず「工夫」から。それによって、理想の労働環境も実現できるようになるのです。