今日、ブログで政治家をバッシングしている某有名国立大学の先生が、
「みなさん いい加減気が付きませんか? ◯◯さんとか ××さんとか 偏差値でいったら40台の方々です(中略)まともに日本のかじ取りする器ではありません 成績悪すぎます まともな判断能力ないでしょう」
なんて書いていて、「ああ、頭の良い人の時代は終わったな」と思いました。
最近、Amazon.comのジェフ・ベゾスが世界一の大富豪に選ばれましたが、彼はこんなことを言っています。
Idea is easy.(アイデアだけなら簡単だ)
現在、AIが人間の仕事を駆逐するようなことが言われているのですが、なくなるであろう仕事のほとんどは、アルゴリズム化できる、従来「頭が良い」と言われていた文系人間の仕事です。
代わって今、世界的に評価されているのは、「手が動く人間」です。
2年ほど前、知人を訪ねにスタンフォード大学のビジネススクールに行ってきましたが、そこに集まっていたのは、アメリカの超学歴エリートや、オリンピックの元金メダリスト。そんな人たちが過去の栄光を捨て去って、新しいサービスを創ったり、アプリを開発しているのです。
これまでの時代は、「総合大学」の時代であり、「総合職」の時代でした。「専門学校」や「専門職」は、脇役とされていたのです。
古くは、マキャベリもいわゆる「キャリア官僚」でなかったために、不遇だったわけですが、時代は大きく変わりました。
これからは、手に職を持つ者が、資本や権力を動かす時代です。Amazon.comやFacebookの躍進を見れば、そのことがよくわかると思います。
そう言えば、マキャベリが、『政略論』のなかでこんなことを言っていました。
もしも好機が訪れれば、一朝にして変るほうが有効だ。なぜなら、変容があまりにも急なものだから、以前のやり方で得ていた支持者を失うより先に、新しい支持者を獲得することができるからである。
ちなみに冒頭で述べていた頭の悪いコメントは、日本を代表する某有名国立大学の先生のコメントですが、彼の権威を担保する当の「大学」という組織自体がその存在を危ぶまれています。
Tech界のグルとして知られるブレット・キング氏が、『拡張の世紀』という本で、こんなことを述べているのを見つけました。
学位の投資対効果には次第に疑問符がつくようになり、学生ローン負担が経済の競争力を減じるにつれて、大学という経済モデルには問題が生じるだろう。(中略)米国やオーストラリアのように、大学教育のコストが大多数の人口層にとって手が届かないか実りの少ない投資となりつつある市場では、これら世代(ミレニアル世代)の多くが、従来の大学アプローチではなく、インターネット・プラットフォーム、ハッカソン、インターンシップ、起業、実証実験といったものを通じた教育を選択している
「正社員」「総合職」という概念が、工業化時代のほんの一時期を支えたものだったように、「大学」という教育形態も最近出てきたものに過ぎません。
現在の成功者は、大学から出ているというより、「ペイパルマフィア」や「Yコンビネータ―」といった、小さな集まりの徒弟制度から輩出されているのです。