こんにちは、土井英司です。

独立前と独立後で一番変わったことは、お金の使い方でした。
なにせ、会社で使う分を立て替えるので、ものすごい額が財布から出て行く。

わかりやすく例を出すと、独立前は自分の飲み代5000円を出せば良かったのが、
いまは、参加者全員の分を立て替えるので、20人分なら10万円を立て替えることになります。

移動手段にも、変化がありました。

独立前は必ず電車で動いていたのですが、独立後はとにかく時間を惜しんで
タクシーで移動するようになる。お金よりも時間の希少性が高まるんですね。

だからこそ、成功者は「時間はお金で買え」と言うのだと思っていたのですが、
最近、その本当の理由に気づきました。

「出遅れると、競争に負けるから」です。

随分前から指導しているセミナー受講者2人のケースをご紹介しましょう。

2人は、それぞれ特定分野のプロフェッショナルで、早々にベストセラーを出していれば、
No.1のポジションを取れる実力派でした。

しかしながら、だらだらと活動しているうちに、先にベストセラーを出され、
業界では格下の相手に、出し抜かれてしまったのです。

一般の方、そしてマスコミは、みなさんの業界内の順位など知りません。
だからこそ、本当に実力ある方は、さっさと本を出してポジショニングするべきなのです。

さまざまな偉人が言っているように、恐れるべきは目の前の出費ではない。
ケチっているうちにふくらんでしまう機会費用なのです。

大学生が払っているのは、授業料だけではありません。
4年間高卒で働いていたら得られたであろうお給料も含まれています。
そして、もっと早く社会に出たらつかめたであろうチャンスも。

もし、入学金100万円で年間100万円の授業料だとしたら、
4年間に払うお金は500万円ではありません。
仮に高卒の年収が300万円だとしたら、300万円×4年=1200万円。
500万円+1200万円=1700万円なのです。
これに、ビジネス機会を含めたら、場合によっては億単位のお金を使っていることになります。

ファイナンシャルプランナーの方はお約束のように、

・国公立を出たら子ども一人育てるのに1000万円
・私立を出たら子ども一人育てるのに2000万円

などと言いますが、これには機会費用が含まれていません。

単純に財布を見て、「いくら持っている」「いくら払った」と考えていては、
本質を見失います。

いま持っているお金を利用して、どんな未来が買えるか。
キャリアを考える際には、ぜひ持っておきたい思考ですね。