ナクソスは美しい島だった。
港に着くと、すぐ左手にアポロンの神殿が見える。
かつて、留学中にアメリカの友人がナクソス島に行ったと聞いて、
「ずいぶん地味な島に行ったものだなあ」と思っていたが、
その考えは、まったく間違っていたことがわかった。
※ナクソス島のアポロン神殿
しかし、今は船の手配が最優先。
ここでしくじると、今回の目的であるアモルゴス島に行けなくなってしまう。
フェリーが港に着くと同時に、近くの旅行代理店に入った。
本土のピレウス港で船会社に問い合わせたときは、
「空席なし」と言われたチケットが、本当にあるのかどうか。
半信半疑の状態でお店に入ったが、
要領のいいお姉さんが、あれよあれよという間にチケットを確保して行く。
あれほど心配していたのに、ナクソス島からアモルゴス島、
アモルゴス島からパロス島、パロス島からピレウス港…。
あっさりとすべてのチケットが取れてしまった。
ほっとした土井は、近くのタベルナ(レストラン)「イリーニ」に入った。
一番手前のレストランがはちみつ入りのヨーグルトを看板にしていて、
気になったのだが、どこの国でも宣伝上手な店はあやしい。
あえて老舗を選んだのだが、これが大当たりだった。
食べたのは、ラムチョップとNaxian Salad。
フェタがムース状になっているグリークサラダ(現地ではホリアティキ・サラタという)
は初めてで、とても美味しかった。
口当たりがさわやかなのにコクがあり、またなぜかキュウリがフルーツのように甘い。
絶妙な味つけだった。
みなさん、ナクソスに行かれる際には、ぜひ「イリーニ」に寄ってみてください。
で、その後は、船の出発時間まで一時間程度、丘の上にあるアポロン神殿を見学。
アポロン神殿から町まで続く道は、フランスのモンサンミッシェルを思わせる美しい景色だった。
神殿を背にして右手には、大きな大理石の岩だけで作られた防波堤が一直線に続く。
その先端には、灯台が設置されていた。
さすが古代より大理石の産地として栄えたナクソス。なんともぜいたくな防波堤だ。
その後は、アポロン神殿を後にして、ミクロリマーニ(小さいほうの港)に向かう。
途中で文房具屋さんに立ち寄って、日記とギリシア音楽が入ったCDを買った。
もうすぐ15時。いよいよアモルゴス島に向けて出発だ。