小学校５年生の時
学級崩壊なんて言う言葉がなかった時代、学級崩壊が起きた。
突然に。
夏休み明けの林間学校で
僕が鍋を洗っているときに聞こええてきた女子の言葉
「あの先生大人げないよね」
当時はドッヂボールで本気になったりして、そういうことを指してたんだろうと思い
気にも留めなかった。
もともと僕は体が弱く、学校は休みがち。
今でも鮮明に記憶している。
しばらく休んで、体調回復し
いつも通り学校に行き教室のドアを開け
「おはよー！」
.おはよう
小さな声で数人。
空気というか教室が暗かった。
天気が悪かったわけでもないのに、本当に目で見えて暗かった。おかしかった。
お葬式やお通夜でもあんな雰囲気は出せないだろう。
その日から始まった
担任の男性教諭が黒板に板書している間
男子生徒は僕以外全員、中指を立ててはやし立てる
中指立てられているのを知ってか知らぬか、それともその意味を知らなかったのか
その男性教諭は
「そういうのを多動児って言うんだぞ！病気なんだぞ！」と。
うちの親と同じぐらいの、まだ当時４０前後の男性教諭だが
もともと差別用語は使っていた。
写ルンですのようなインスタントカメラのことを「バカ〇〇〇カメラ」と言ってみたり
まあ親と似たような年齢だから、そういう表現もするか
ぐらいには思っていたが
配慮の足りない教諭であったのは間違いない。
３・４年担任の定年近いおばさん教諭は
「先生は男女差別が嫌いです。だから〇〇くん、〇〇さん、ではなく全員〇〇さん、と呼びます」
絶対に呼び捨てにはしない先生。
とてもきびしい先生でしたが、とても面白い先生でもありました。
きびしくて苦手、という友人もいました。
隣の席の女子で、うちにも来たことがあり
彼女の家にも何度も遊びに行ったことがあり
彼女のお母さんと３人でパンを作ったり。
とても優しそうなニコニコした笑顔が印象的なお母さん。
そんな家庭に育って、それなりに上品でオットリした彼女が
担任が教室から出て言った瞬間、憎しみのこもった声で
「殺してやりたい」
そうはっきり言ったんです。
誰に言う言わけでもなく。
とても演技ではできない声。
もちろん上記のとおり、そんなことを軽々しく
冗談でも言わない、初恋の子だったかもしれません。
他にも転校してきて仲良くなった男子生徒
家に遊びに行ったとき、お母さんにお昼ご飯ごちそうになったんです。
テレビ見ながら３人で楽しく食べていたら
お母さんチャンネルいきなり変えたんです。
「殺人のシーン」
が流れそうになった途端にチャンネル変えました。
小学校５年生に殺人のシーン見せられない
そんな教育受けていて
本人もとても優しい子で
そんな子が中指
「こんな教室にいたら殺される！」
そう思った僕は学校に行かなくなりました。
５年後半、６年丸々不登校
保護者の中でもすごく評判が悪かったらしく
うちにスーパーファミコンを返しに来た
当時の親友のお母さんが、うちの親と玄関口で話してるのが聞こえてきて
「あの先生評判悪いから、〇〇くん学校来ないのかい？」
って母が言われてて、うちの母はそれを知らなかったから
「今まで行け行けって言ってたけど、そんな学校行かなくていいよ」って
ちょうど敏感な５・６年生
その世代の子が言われて深く傷つくこと、僕のいない間に言われたのだろう。
「子供のくせに生意気だ」
や
「ガキ」
この程度ではないような気がします。
みんなのアレは完全に
「憎しみ」
の感情でした。
子供が好きだから教員になった、っていうのがわかる先生
いままでの先生たち全員そうでした。
２年生の臨時雇用の先生
僕が入院してる時に、何度も何度も来てくれて
週に２・３回は来てくれました。
修了式の日、玄関でみんな帰るの見送って
まだ若い先生だったのもあって、泣いちゃってね
僕も子供だったから失礼な言葉だと知らずに
「先生泣かないで、春休み終わったらまた来るから～」なんて言っちゃいましたけどね。
臨時雇用だったので、新学期からはいないの知ってましたが。
このことは少し話からそれましたが
どうしてもお礼の意味も込めて書きたかったんです。
札幌市教育委員会に連絡したら、臨時雇用の先生の情報はわからない、と言われてしまったんですよね。
お礼すら言えないです。
ご結婚されて、いまは教師って大変みたいだから、退職して
幸せなご家庭で、お子さんに恵まれてるといいなぁ、と思っています。
話は戻ります。
その男性教諭、よく
「見た目で人をいじめたりバカにするやつは最低だ」
と、仰っていたのですが
今もし昔の自分に戻れるんだったら
「私は入院していたので存じませんが、自分が悪いと思っていなくても、ほとんどの生徒が傷つく発言して
それに気づいてるのか気付いていないのか知りませんが
あなた新卒じゃないですよね？空気がおかしいのわからないんですか？
『先生なんか悪いこと言ったかもな、ゴメン』たとえそう思っていなくても
その一言『ごめんなさいが言えないあなたがヒトとして最低です』」
そう言ってやります。