お受験塾なしで国立小にご縁をいただいたことを語るブログですが今日はちょっと昔話をお届けします。衝撃的なタイトル「受験前日に父親から落ちろと言われた」はいつもなら来年以降もお役立てください、と言いたいところですが今日はまねしちゃいけませんよ、というお話です。
私は中学受験を経験しました。
本命校の受験前日、
忘れもしない1月末日。
父親から
「落ちたらいいのに」
と衝撃的な一言を言われました。
家族全員集まって
激励してくれるかと思いきや
娘に「落ちろ」という父親。
もうびっくりです。
「は？？」
父親はもともと中学受験に反対していて
母親主導で対策を進めていました。
私はそれまで2年半、日能研に通って
友達とわいわい遊びたいところを我慢して
母のすすめ通りに
明日の受験のために頑張ってきたのに
なんでそんなことを言われないといけないのか？
普通、親がそんなことを受験生に言うか？
真意が全く理解できません。
私はあまりにも腹が立って
「お父さんひどい！大嫌い！」
と本棚に入っていた本をひっくり返し、
机の上のありとあらゆる参考書をぶちまけ、
キッチンに行って皿を割りまくり、
マグカップも割り、
一瞬父親への殺意がわきました。
しかし明日はいよいよ本番。
殺人犯になるわけにはいきません。
母親が父親に
「あなた、なんてこと言うの！」と叱り
兄が私に
「もう落ち着け」
とまだ暴れ足りない私を止めました。
警察へ通報する一歩手前の修羅場です。
抑えられない怒りに
ボロボロ号泣しながら
「今に見てろ！
絶対合格してやるからな！」
と宣言し、翌日は目を真っ赤にはらしながら
試験と面接に臨みました。
ちゃんとお受験らしく
ブレザーとプリーツスカートに着替えて
午前中はペーパー試験、
午後の面接は母親と一緒に受けました。
試験中はまるで何かにとりつかれたように
「絶対合格」と念仏のように心の中で唱え、
自分でもびっくりするぐらい
脳みそが研ぎ澄まされた感覚になり
空欄にまるで答えが透視できるかのごとく
スラスラと解けました。
面接官からしてみれば
「何でこの受験生、こんなに目が赤いの？」
と怪訝に思われたかもしれません。
2月1日～2月6日
受けた学校は３つ。
結果が出そろいました。
受けた3校はすべて合格しました。
※いわゆる難関校ではありません。
偏差値50～55の進学率がわりといい
中堅校ばかりでしたので
倍率は3～4倍くらいありました。
父親は小さく
「おめでとう」
といってそれっきり。
そんな父親の暴言が
トラウマになり
「絶対何かを
成し遂げなければならない」
と私の人生の原動力となったといっても
過言ではありません。
その後の大学受験も就職試験も
「絶対合格絶対合格」と
辛くなったら念仏のように心の中で唱え、
試験のたび、
あの時感じた脳みそが
研ぎ澄まされた感覚を呼び戻し、
いずれも第一志望に入ることができました。
大学もいわゆる難関校ではありません。
偏差値は中堅でしたが
かなり個性的なプログラムが学べるため
ゲーム業界や広告業界など
特定業種からわざわざ個別説明会が
開かれるような大学でした。
倍率は4倍ぐらいでした。
大人になって知ったことですが、
暴言を吐いた父は当時、
自営業を営んでおり
大口の取引先が倒産して
あおりを受けた矢先でした。
自営業ですので経済状況も
いい時は通常のサラリーマンより
数段稼げますが
いざリーマンショックのような不況が訪れると
どう転ぶかわかりません。
私立の中高に行っても
高い授業料を払い続けられるか
本人も不安に思ったのでしょう。
だから私が公立校に
行ってくれればどんなに助かるか、
という心の底の本音が
ぽろっと出てしまったようです。
（それにしてもひどい）
そんな苦しい状況の中でも
なんとかやりくりして
年間100万以上もかかる
私立の中高に6年間
さらには4年間、大学に通わせてくれた
父親には感謝しています。
親になった今、
それがどれだけ大変か
ありがたいか、
身にしみてわかります。
そんな父親ですが
私が赤ちゃんを産んだ直後に
天国へ行きました。
きっと私の赤ちゃんを見て
安心してしまったのでしょう。
小学校受験で
ご縁を頂いたのは
もしかして私の父親が
見守ってくれたおかげかもしれません。
今日は私の過去の暗い話に付き合って頂き
ありがとうございました。
決してマネしないでください。