------------

【あらすじ】

井沢釈華しゃかの背骨は右肺を押しつぶす形で極度に湾曲し、歩道に靴底を引きずって歩くことをしなくなって、もうすぐ30年になる。

両親が終の棲家として遺したグループホームの、十畳ほどの部屋から釈華は、某有名私大の通信課程に通い、しがないコタツ記事を書いては収入の全額を寄付し、18禁TL小説をサイトに投稿し、零細アカウントで「生まれ変わったら高級娼婦になりたい」とつぶやく。

ところがある日、グループホームのヘルパー・田中に、Twitterのアカウントを知られていることが発覚し——。

------------

※画像&あらすじ:文芸春秋BOOK

 

 

久々の一気読みでした。

芥川賞受賞の話題作「ハンチバック」。

 

個人的に…めっちゃ面白かったです。

 

今の、私の生活に、状態に、合ってた

というのもひとつ高評価の大きな要因

だったと思います。

 

ここのところ、長編大作を読むことが

多くて、仕事の合間にぼつりぼつりと

読むので、ストーリーを完全に頭に

インプットするのが難しく…

 

「あれ?この登場人物、誰だっけ?」

 

「この人、いつ出てきたんだっけ?」

 

みたいなことが多発していました。

 

一方「ハンチバック」は2時間ほどで

読み終えることができる。

 

それからそれから、最近は

「成瀬は天下をとりにいく」

じゃないですが、誰も悪がいない

朗らか・穏やか・爽快な作品を続けて

読んでいたので、「ハンチバック」は

非常に新鮮で良かったのです。

 

元来、私はこういった作品が好きだ。

 

というのも、あるのですが。

 

いつも私に本を貸してくれる知人は

この作品ダメだろうなぁ。ダメというか

しんどいから表示をめくることすら

しないと思われます。

 

(一応、LINEで「買いました!」の

連絡はしておりますが)

 

知人は「人生は辛いことの連続だけど

そこを注視せず、できるだけ楽しいこと

考えて生きていきたい!」という性格

なのですね。

 

 

先日、塾の面談の帰りに、息子の漫画

2冊と一緒に買った、

読みたい読みたいと思っていた

「ハンチバック」。

 

 

 

——最初から何もなかったことにだけはしないでほしい。——

※「ハンチバック」76頁より引用

 

いろいろ脳に刺さるテキストはあった

のですが、そのうちのひとつ。