もう独りにしないで 解離を背景にもつ精神科医の摂食障害からの回復

※星和書店「もう独りにしないで 解離を背景にもつ精神科医の摂食障害からの回復

 

先日のブログ、

購入書籍『もう独りにしないで 解離を背景にもつ精神科医の摂食障害からの回復』

で1冊の本を紹介しましたが、

昨日、ようやく読み終えました。

 

15年にわたる摂食障害(過食嘔吐)

を経験した私にとって、この書籍は

「罹患時の状態が実にリアルに

表現されているなぁ」

という感想を持ちました。

 

言い方は乱暴ですが、まとまりがなく、

いろいろな感情や行動がパラパラと

テキストで踊る、そんな文章が多いの

ですが、それこそまさに摂食障害の

状態をうまく表現していると思えました。

 

自分勝手な思い込みや、健康的ではない

物事の解決方法、歪んだ自己防衛・・・

また、突然に感情がコントロールできなく

なったり、異常なくらい冷酷で冷静だったり。

 

摂食障害についての書籍は非常に多く

ありますし、最近は読んでいませんが

そういった類の書籍を読み漁った時期も

あり、割と知っているつもりです。

 

(大学の論文で、カレン・カーペンターの

摂食障害についてまとめたことも、あり

もともと興味があったんですよね)

 

それらに比べると、この本は読んでいて

本人の不安定な状態がリアルに伝わって

きて、うっかりすると飲み込まれそうにすら

なってしまう。

 

過食嘔吐に取り付かれていたあの頃の

感情・感覚が再燃するようで、若干の

恐怖すら覚えました。

 

ただ、書籍自体は文言の重複があったり

誤植があったり、全体的に少し読みづらさ

を感じましたが、それは編集者による部分

も大きいですからね。

 

難しくなく、読みやすいというのも良かったです。

 

ちなみに「解離」については、解離性障害

の症状のうち「解離性同一性障害」が主で

本を読む限り、私の上の子はそこまで

重い症状ではないような気がするな・・・

という感想です。

 

もちろん軽視するのは危険だと思いますが・・・

 

この書籍、お子さんが摂食障害になり

どうしていいか悩んでいる親御さんに

読んでいただきたいと思いました。

 

ただ、この本の主人公は親や祖父に酷く

虐待・モラハラを受けていて、そこを原因

としている部分が大きいので、注意して

読まないと親御さんが自分を責めてしまう

可能性がありそうですが・・・摂食障害に

取り憑かれたお子さんの心の動きなどは

伝わりやすいと思いました(理解できるか

は別として)。