時間を潰したいと思って、
バッグに入っていた小説がもう残り少なかったので
偶然に見つけた町の古本屋で手に取った短編集。
それを先日読み終えたのですが、
こんな文章が印象に残っています。
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「でも、私、恋愛にはどこか子供っぽいところが必要だと思う。
大人を装って、
都合の悪いところはみんな目をつぶってしまうなんてこと、
したくないの」
(中略)
「あの時、私たちがしなければならなかったのは、
そういうことだったんだね。
もっとぶつかって、
話し合って、
たくさん抱き合って、
キスして、
ケンカして、
そういうことを繰り返して、ふたりで答えを見つけなきゃならなかったのよ。」
(中略)
「ふたりのことなのに、ひとりで答えを見つけようだなんて、
それはやっぱり間違ってた」
※唯川恵「ヴァニティ」より 「手のひらの雪のように」
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これは、恋人が自分の友人と犯した一度の浮気を知った
女性を題材にしたストーリーに出てくるセリフです。
「俺ってガキだから」を言い訳にする男。
「寂しかったから」を言い訳にする女。
そして何度も謝罪する彼と女友だち。
しかしどうしても決心がつかず、1年間お互いに会わずに過ごし、
再会したときに彼(と自分)の気持ちが揺らいでいなかったら
許すと決めた主人公。
セリフは私の状況とは全く異なりますが、
(そもそも私は自身の不貞行為で離婚に至ったわけですから)
それでもなんだか、ジワジワと重石のように胸にきました。
私も結婚生活では、夫婦間に悩みがあるのに大人ぶって平気なふりをして
都合の悪いところは目をつぶり、
親には彼がどんなに頑張っているかアピールし、常に庇って、
知らんふりして過ごしてきました。
だけど、もっと正面向いて問題に真剣にぶつかるべきだったと思います。
お金の問題?子どもの教育?仕事?セックスレス?趣味?いろいろあるけど・・・
「夫婦って結局、他人だからさ!」
「人ってなかなか変わらないから、自分が許すしかないよね!」
そんな風に、できた人間ぶって、全然できていなかった。
もう壊れたものは直りません。
だけど、例えば友人に相談されたなら、偉そうなことは言えませんが、
大切な人ほどしっかりと向き合いなさいって、とことん話し合いなさいって、
逃げちゃダメだって、私なりの意見を言うかな。
今お付き合いをしている彼とも、そうやって生きていきたいと思っています。
新型コロナウイルスの陰性がわかり、ようやく2週間ぶりに
明日・明後日は子どもたちに会えます
(先週は可能性ありの状態だったので自粛しました)。
子どもたちにも、子ども扱いせず、
だけど繊細な気持ちを下手に傷つけることのないよう
真剣に向き合っていきたいと思います。