深まってゆく夜の 

この柔らかなやさしさは

もう桃色の風が吹く春が間近だよと

空気は教えてくれるかのように 

少し暖かく澄んでいて

こんな健気な景色と 

時の中では

恋しいものが溢れていて 

哀しくなる

こんな素敵な夜は

愛しいものが溢れていて

哀しくなる

そんな形のない

でもたしかなものが

どこからか

流れてくるようで

哀しくなる

涙と 

歌と 

夜の 

音が

ささやくようで

語りかけるようで

哀しくなる

あまりにもこんな

せつなさの傍では

哀しくなる

背中合わせの感情は

いつも

つめたく

あたたかく

茫然と

それは失意の如く

立ち止まる

ふと見上げた星の

輝きが

大きく瞬くから

きらめきを見つめるように

空の闇がすべてを

濡らすように降るから

雫を受け止めるように

哀しくなる

哀しくなる

こんな素敵な

夜の中では

いつもいつも

哀しくなる・・・













今日は(もう昨日だけど)
澄み切った蒼い空が広がる、穏やかな一日でした

だけど少し風が強く、夜になっても
そう冷たくはないけれど、でもまだ冬色の残る風が
大地を浚って吹いています


感情はいつも、背中合わせ。
夜になるとそんな、ゆらゆらした気持ちが
闇の中に溶けてゆくようで、

そしてそんな景色や、時間の流れはなぜか愛おしく
淋しいのか嬉しいのか、楽しいのか哀しいのか、
わからなくなります

でもきっと、全部が混ざって
やっぱり生きてるって、素敵な事だなぁと、

感じてしまうような漠然とした何かは
心を包んでくれるかのようにやさしく、

冷たい風の中にいてもホッとするような仄かなあたたかさが
伝わってくるような仮想空間を創ってくれているかのようです

そんな宙を流れてくる音楽・・・




過去、何度か言っていることですが
冬から春に移り変わる季節の頃は、ギターの音色が似合います


今日は「タレガ」です
そんな夜です

~ラグリマ(涙)~



好きな、アナベル・モンテシノスの演奏で。









そして、やはりこの方の演奏も添えて。

以前も、この曲も含めて何度か載せていますが(向こうのブログ)
プロの奏者としては知らない名前の方で
今もどうなのかわからないまま、でもどんなプロの演奏よりも
どの曲に関しても、このおじさまのものが好きです




男性と女性の特徴のようなものが音色に溶け込むように流れている、
そんな演奏だと思います
聴き比べてみるのも素敵ですね・・・