月も星も、雲もない冷たい夜です





今日は雪が降りました

すぐ霙に変わり、ホンのちょっとだったけれど

初雪かな・・・そんな気がします


あ、でも私が見てなかっただけかも・・・

ニュースや天気予報も含めて(笑)




だけど今日は見ました

明日(もう今日だけど)は雪の予報です

どうなるかな・・・ 明日はお休みだから

降って積もらないかな~~



なんてことはもういいません

最初の頃は何憚ることなく書いていたことが

段々と控えめがちに、

そして今年はいよいよ書けなくなりました




って書いてるけど(笑) 

スミマセン・・・でもやっぱり

このときめきを隠すことはウソになりますからね





交通機関や災害や雪国にお住まいの方たちの大変さのことを思うと

勝手に喜ぶことは罪にも感じますがでも・・・やっぱり・・・



やっぱり 「雪」、が降ると

嬉しい気持ちを隠せなくなりますね

あの、銀の世界、雪景色・・・




一番に足跡をつけて歩きたい道。

冬の太陽が反射して輝く、きらめき。






明日は雪だ、っていう予報の夜は

もう雪の香りがしますね



そして、密かに迫り来る「雪」、の

音、が、 ・・・聞こえるような気がしませんか

まだ降っていないのに遠くからしんしん・・・ と ・・・









こんな冬の夜に

凍りつくような空気の夜に


思い出す曲があります





これも随分以前に

もう一つのありすのブログに書いたことがあります


私の引き出しが狭いせいなのですが

季節が巡り、似たような風情や情感が流れている日が来れば

そして朝や昼や夜や、その時間により、同じことが繰り返し思い出されたりします



儘に・・・ ご紹介してみようと思います







「冬の夜の物語」という合唱曲。


男声合唱組曲「東京景物詩」の中の5曲目で

北原白秋の作詞によるものです





YouTubeで探してみましたが

適当なものが見つからないので

詩を載せてみますね








             冬の夜の物語


   

         女はやはらかにうちうなづき、


         男の物語のかたはしをだに


         聴き逃(のが)さじとするに似たり。


         外面(そとも)にはふる雪のなにごともなく、


         水仙のパッチリとして匂へるに


         薄荷酒青く揺(ゆら)げり。


         男は世にもまめやかに、心やさしくて、


         かなしき女の身の上に


         なにくれとなき温情を寄するに似たり。


         すべて、みな、ひとときのいつはりとは知れど、


         互(かた)みになつかしくよりそひて、


         ふる雪の幽(かす)かなる気配にも涙ぐむ。



         女はやはらかにうちうなづき、


         湯沸(サモワル)のおもひを傾けて


         熱き熱き珈琲を掻きたつれば、


         男はまた手をのべてそを受けんとす。


         あたたかき暖櫨はしばし息をひそめ、


         ふる雪のつかれはほのかにも雨をさそひぬ


         遠き遠き漏電と夜の月光。



  











これは白秋が25才の時


当時借りていた家の隣りに住んでいた人妻、


松下俊子との恋愛を基に詩にしたものだそうです



俊子の夫には愛人がいて、白秋は俊子に同情し、


夜更けまで話し込むことがあったそうです





この「冬の夜の物語」は許されぬ仲だと知りながら


同情が愛に変わりそうな微妙な心理を描いていて、



このあと白秋は俊子の夫に訴えられ


姦通罪で投獄されたそうですが、


出獄後、俊子を最初の妻として迎えます






この詩を読むと


深々(しんしん)と凍るような冷たい夜


月の光が射す暗い部屋で


お湯を沸かし熱い珈琲を手にして


ひとときの温かな静かな平穏に


心寄せ合う二人の様子が伝わってきますね・・・