十五日(もちのひ)に出でにし月の高々(たかたか)に

                     君をいませて何をか思はむ


              

                           (詠み人知らず)

                                  「万葉集」より

 






今日(16日)は満月、夜空にはひときわ綺麗に輝くお月さまが出ています




旧暦では、元日は必ず「新月」だったそうですね

これを大正月と言うのに対して、望月が輝く十五日を小正月と呼び、

本来は、月の満ちるこの日こそ正月らしい祭りごとに適した日だとされ、

「もちがゆの節供」もそんな催しの一つなのだといいます


その「もちがゆ」は、後に「お餅を入れた粥」になったそうですが

本来は「望(もち)<満月>の日に食べる粥」という意味なのだそうです



今年の一日は偶然(?)なのでしょうが新月だったようですね

どのくらいの周期で巡って来るのでしょうか




関東の方など、これから雪になるかもしれないような寒気の強い気候だと

夕方のニュースで言っていたような気がしますが

こちらは、寒いながらも穏やかで良いお天気で、

夜には雲がありますから明日はどうなのかわからないけれど


お月さまのいらっしゃる空は藍色で海のようで

島のように点在する白い雲が並んで流れているような隙間から

鏡のように滑らかな光が周りを照らして

ほんとうに美しい月夜です




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なんとかこの風景をお伝えしたくて

最近はさっぱり撮ってなかった写真を撮ってみましたが

やっぱり携帯では無理みたい(悲)

  (コンデジまだ修理に出していません・・・グズグズグズ・・・バカ)



お月さまの周囲には、白い雲が波(島?)のように

見渡す限りの空の端まで広がっているのですよ

隙間にはお星さま・・・ 


今日はね一段と、いつもより輝いて見えます

空気が澄んでいるのかな・・・





夜空のシーン機能で撮ってみたら・・・



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あははっ・・ ヘンだけど

お月さま(雲に隠れて見えるけど)のすぐ上のお星さまと

周りの薄~い雲がなんとな~くわかっていただけるかな・・・








       時時(ときとき)につけても
       人の心をうつすめる花 紅葉の盛りよりも
       冬の夜の澄める月に雪の光りあひたる空こそ
       あやしう色なきものの、 身にしみて
       この世の外(ほか)のことまで思ひ流され
       おもしろさもあはれさも 残らぬをりなれ。
       すさまじき例(ためし)に言ひおきけむ人の心浅さよ・・・
               

               (「源氏物語」より)






冬の月、って素敵ですよね

でも、紫式部がこう言っているところを見ると

昔はあまり好ましい抒情としては扱われていなかったのかな・・・


などと考えもしますが、だけど



「枕草子」ではそうではなく

とても美しいものとして描写していたと思います





作品はどちらも好きなのですが

清少納言を贔屓してしまう私は

そんなところに秘密があるのかなぁ・・・





・・・・な~んてことを考えてみる、

澄める月の浮かぶ冬の夜、でした・・・。