最終の電車で駅に着いたとき

金木犀の匂いがした

夜気に乗ってどこからともなく

流れてくるのは冷たい秋





寒かったけどタクシー乗り場に向かう途中の道のり

そういうまでのことはなくあっという間の距離なんだけどこんなとき

時間がスローモーションになったようにどうしようかなどうしようかなと

なんとなくだけど何度も何度も決めかねる考えを繰り返しながら歩いてしまう






でも結局・・・寒いとか暗いとか怖いとか

あまり遅い時間だとこんな年になってもそんなことに引っ掛かってしまうんだけど

空を見上げると満天の星・・・

まではいかないけど最近あまり見たことがないような綺麗な星空





プラチナのように輝く大小の星たちが見守ってくれるような気がして

やっぱり歩いて帰ろうって決めた約10分

途中もきっと公園やどこかのお宅の木の存在を仄かに感じてたけれど

家に近づくに連れ芳香が増す金木犀の香り







冷たい秋の夜の星と金木犀ほど

その夜を素敵にするものはないよねって

そう思いながら歩く道は寒くて少し怖くて急ぎ足になるけれど

やさしい香りの中でどこか安心して時々わざと立ち止まってみたりする







さあっ・・・

そんな素敵な余韻が消えなくてもう寝るばかりの今

携帯でペタできない亜リスの部屋にだけ来てみました








でもやっぱり・・・

金木犀と沈丁花が

名前も香りも

秋と春と逆のような気がしてしまうのは

なぜなんだろ・・・







窓を開けて寝たいけど

もう無理なくらい夜は寒くなりましたね





冷気に冷やされたような金木犀の香りは

トップノートのように少しツンとして新鮮な匂いがしますね・・・