ここで話が挙がった『個のプレイヤーによる打開』ですが、今大会を象徴する、そして近代サッカーを象徴する一つのヒントが隠されていると思われます。

メッシ、C・ロナウド、ルーニー、カカ、ドログバ、エトー。

今大会最も期待されながらも不発に終わったプレイヤー達です。

得点自体は挙げたプレイヤーもいるにはいますが。


『個』のみの力と、組織の中で生きる『個』では全く別物であることの証明がされた気がします。

バルセロナやレアル、ユナイテッド等、所属するクラブチームでは活き活きと『個』の力を発揮する彼らですが、クラブチームとは違い、組織を形成するのに時間の限界がある代表チームではやはりかなりの弊害があるのでしょう。

それらに対し、ドイツやスペインのように、クラブチームに近い、限りなく完成された組織を有する代表チームの躍進が目立ちます。

そして我等が日本代表。

こちらも、個の力で敵わない分、組織で戦ったチームの代表と言えるでしょう。


オシムさんが開幕前に言っていましたが、

『今大会の結果によって、今後のサッカー界の流れがわかる』

という意味がわかる気がします。

日本も岡田さんにより形成された今の組織力を崩さずに、これにさらに個の力を加えればもっともっと強いチームになるんではないでしょうか。

日本代表の話に戻りますが、今は各方面にて話題にあがっている駒野選手。

PKを外してしまった選手です。

このPK。

よく、じゃんけんのようなものだ、とか、運試しだというのをよく聞きますが、やはりその要素はかなり強いものなんです。

もちろんPK職人と言われる遠藤選手のように、高い成功率を誇る選手もいますが、どんな名選手も外す時は外しますから。

かの有名なロベルト・バッジョもこう言っていました。

『PKを外せる者は、PKを蹴る勇気を持った者だけだ』


今も脳裏に焼き付いてますが、94年アメリカ大会の決勝、ブラジル対イタリアの試合は結局両チームともスコアレスのままPK合戦で優勝を決めることに。

そこでイタリア最後のキッカーであるロベルト・バッジョが外し、ブラジルの優勝が決まりました。

バッジョといえば、サッカーファンなら誰もが憧れるファンタジスタで、94年大会もここまで獅子奮迅の活躍でイタリア躍進の立役者でした。

そんなバッジョでも外す時は外すんですから。

考えてもみてください。

視聴率、経済効果においても全世界に影響を与えるワールドカップ。

国連に加盟する国数以上に国際サッカー連名(FIFA)に加盟する国のある(約200ヵ国)サッカー。

僕らが聞いたこともないような国ですら熱狂する、つまり、世界中の人々の目がその一蹴りに注目するわけです。

そんな中で、一般的には『決めて当然』となるPKを蹴る勇気。


この緊張、プレッシャーは計り知れないでしょう。


何でも遠藤選手は、『緊張したことがない』という強心臓の持ち主であるがゆえの『職人』なのかもしれませんが。


そんな駒野選手。

駒野選手も本来はPKやセットプレーの名手です。

ここでくじけずに、前を向いてがんばってほしいですね。


最後になりましたが、このサッカー、本当に魅力的なスポーツです。

先程お話した、いかにワールドワイドなスポーツであるか、という話。

これはつまり、戦争にも平和にも直結する力を持つ唯一のスポーツであるとも言えます。

サッカーが原因で仲良くなった国、または残念ながら亀裂が入ってしまった国もあります。

しかし、言い換えるならば『世界共通語』としての役割をこの先うまく機能させることができれば、世界を大きく変えるきっかけとなりうるパワーがあるというわけで。

一つのボールを持ち(又は持たなくても)、前へ行っても後ろへ戻っても、左右どちらへでも自由に思うがままに自分を表現できる。

相手ゴールへ決めるパターンは、チームの数だけ、プレイヤーの数だけ無限にある。

少しのルール、少しのスポーツマンシップさえ遵守すれば完全に自由なわけです。

そんな、まるで音楽・作曲にも似た表現力の雄大さが僕をサッカーに夢中にさせたのかもしれません。

今は世間はワールドカップ一色ですが、さらにレベルの高い、ヨーロッパのクラブチームによる『UEFAチャンピオンズリーグ』や、南米のクラブチームによる『リベルタドーレス杯』、さらにはヨーロッパ各国主要リーグ等、まだまだ面白いサッカーはたくさんあります。

身近なところではもちろんJリーグも。

サッカーファンはもちろんのこと、ワールドカップをきっかけにサッカーに興味を持ち始めた方も、一度機会があればこれらの大会をご覧になってみてはいかがでしょうか。

ますますサッカーの虜になること間違いなしです。

もしくは近くにJリーグチームのある場所にお住まいの方はぜひ一度生観戦をオススメします。

っていうか、僕と一緒にガンバ大阪を応援してください(笑)



長くなりましたが、ワールドカップといういい機会があったので普段封印していたサッカーマジネタを暴露してみました。

まだまだ語りたいことは山ほどあるんですが、またの機会にしたいと思います。

ではではこの辺で。

最後まで読んでくださった方、どうもありがとうございましたm(__)m