今回はね、ちょっと真面目に先日リリースされたばかりのelf・1stアルバム『Violet』のレビューでも書いてみようかなと思います。

すでにお手元にある方はこれをぜひ参考にまた聞き直してみてくださいませませ(・∀・)ノ

攻撃的なものからふわふわした優しいものまで、色んな『elf=妖精』の詰まったこの作品。

ごゆっくりご堪能くださいませませ(・∀・)ノ




まずは一曲目の『月』。

これは現在ライブ等で披露してる曲の中では一番新しい作品ですね。
もちろん頭の中には新曲はたくさんありますが。

タイトルの月。
イメージとしてはうっすら雲掛かった夜明け前のお月様です。
届きそうで届かない月。
夜更け時、特に理由もないのに、不安とも希望ともとれるような何かモヤモヤした気分になる時ありませんか?
そんな時にボンヤリ光る月に対して色々な要素をかけて生まれた曲です。
サウンドとしては、イントロは重めのリフで始まり、サビにいくにつれてキャッチーにという現在メインの構成ともいえるelf節。
サビ部分では四つ打ちのリズムでビート感を出し、かつメロディアスな展開に。
最近ではライブでも幕開けに用いられることが多いかな?
闇と光を同居させたような作品に仕上げてみました。


2曲目のLost Control。
こちらもロックなリフにメロディアスな歌メロという構成ですが、これは『月』と比べたらどちらかといえばよりハードロック系に近いノリになってます。
サビでは良い意味でロック感を省いてキャッチーに。
曲の意味合いとしては、Lost Control=制御不能の言葉通り、恋愛で自らをコントロールできなくなった人が主人公ですが、5曲目の『赤い紫陽花』とは違ってどろどろした感じではなく真っ直ぐな思い故にという感じ。
弦楽器は特殊なドロップDチューニングにしないといけないため、曲の前後には必ずMCを入れなければならないという裏事情もさりげなくカミングアウト(笑)


3曲目の『旅人』。
今回、レコーディングするにあたり、最も原曲からアレンジが加わって変化した曲になります。
イントロ~Aメロに向かって時を刻むドラムのリム音。
随所にちりばめられた、空間系サウンドを施されたギター音。
そして何より間奏では、良く聞くと僕の語りが入ってたり入ってなかったり(笑)
ギターやシンセはもちろんのこと、ドラムですらいくつも音を重ねて録ったという、サウンド面では最も凝った楽曲の一つ。
タイトルの『旅人』が指す通り、長い旅路の一環を表現したものですが、具体的な意味合いとしては実際に聞いて各々それぞれにどう捉えるか、それによってまた変わってくる作品。
ちなみにライブでは滅多にやりません。


4曲目はご存知『ナルニア』。
ピアノを主体としたバラードで、数々の涙を誘った作品。
ナルニアという意味は『確実に目の前にあるんだけれど、手を伸ばしても何故か届かないもの(到達できない場所)。』
Vo.いくが最も素直に書き上げた詩の一つで、それ故にたくさんの共感を産み、今やelfでも1、2を争う名曲に。
ライブでも外れることは滅多にない。
人間の心の奥底に眠る繊細で脆い部分を心地よく刺激される感じかな?
何か言葉ではうまく言えませんが、素直に受け止めていただければ、優しい気持ちになれると思います。
という、そんな感じのバラードに仕上がっております。


先ほども挙がった5曲目の『赤い紫陽花』。
これはね、もう怖いっす。
きっかけとなったのが、昔度々怖い目にあったストーカー事件。
まぁ怖い目と言っても、女性→男性という立場なんで逆のパターンであるような襲われたりとかってのは無いので身体的には大丈夫やったんですが、『そこまでするか…!?』という執着という意味で、少し怖かった時期があったんです。
自分の行動全て監視されてたりとかね。
でも、本人は悪気があるわけじゃないといえば、それはそれで一つの愛の形とも言えなくはないじゃないですか?
もちろん褒められた行為ではありませんが、少し歪んでしまっただけで、大まかに『愛』で括ってしまえばそれで済んでしまうというか。
それがその人なりの『愛』の形であるなら、もうそれは仕方ないなと。
法的に言うなら自分は『被害者』側になるわけですが、そんな一件をもとにして歪んだ愛の形を表現してみました。
サウンド的には、オルタナティブというか、ダークな展開からサビでガツンとヒートアップするような構成になっており、いわゆる『ダークelf』が好きな方には昔から人気のある曲。
逆に、ポップなelfが好きな方からしたら『怖いわ(笑)』ってなる曲(^o^;


んで次の6曲目の『mother's womb』も、系統としては赤い紫陽花同様ダークelfに分類されるかな?
赤い紫陽花よりはまだ旋律が綺麗というか、オドロオドロしさが抜けた感じ。
男の人のもつ、いくつになっても甘えたな部分というのかな?
逆に考えるなら『母なる大地』等と象徴されるように、女性の大らかさというか、母性を描いた作品。
タイトルを日本語訳にすると『母の胎内』。
もちろん全て作詞者であるいくの談ですが、例えば『男だから』と片意地張って無理してる男性って多いと思います。っていうか自分もそうかもしれません(^o^;
普段は『男やからしっかりしろ』的な風潮がありますが、いざというときに強いのって意外と女性だったりしますよね。
そういう意味で、どんな人も元は必ず母親の胎内にいたんだよというメッセージ性の強い作品。
なので攻撃的なサウンドであるはずなのに、どこかしら優しさも感じられる音に仕上がってると思います。
以外と気付かない人も多い、曲のラストに収録されている『心臓の鼓動』音も、赤ちゃんが胎内にいた時に聞こえていたはずの音をイメージしたものです。



で、ダークelf三連チャンの最後を締めくくるのが7曲目の『lion』。
これはもうサウンドはとことん攻撃的にいってます。
Bメロで優しくなったり、ドラマチックな間奏になってたりと、全編通して攻撃的なわけではないんですが、7分を越える超大作で様々な感情が込められてる系ですね。
舞台は、作詞者のいくの夢の中であった出来事。
『エルザ』というライオンの話を描いた小説を知ってる方は理解しやすいかもしれませんね。
そのエルザとは若干違いますが、一言で言えば、野生のライオンが人間界に入り、人間の女性と恋におちる物語。
でもやはり自然界の掟にのみ従って生きていた野生のライオンからすれば、汚れ切って見えてしまう人間界。
もちろん人間界にも綺麗な世界はたくさんありますが、それを教えようと必死に頑張るものの…という世界観。
元々僕の頭の中にある原曲は15分くらいあったというマニアックな大曲(笑)
オーケストラも入るためまだ当分は実現は難しいですがいずれは…(笑)


で、ダークelf三連チャンの後は爽やかなのが続きます。
8曲目の『雨恋』。
これはelf史上初、僕以外が作曲を担当した曲です。
ちなみにドラムのなおです。
エレクトリックピアノの音が印象的な爽やかなナンバーで、優しく耳に響く感じの作品に仕上がりました。
恋愛と雨をかけた雰囲気のストーリーで、じめじめした雨ではなく、『あ、雨もいいな』というイメージの湧く感じかな。
僕に負けじとポジティブシンキングななおらしい楽曲で、雨の日にはぜひ聞いてみてほしいなと個人的にも思います。
元はボサノバ風アレンジでもあったという曲なので、いずれストリートのアコースティックバージョンでは披露できるかも??


そして9曲目の『記憶』。
サウンド的にも意味合い的にも、ふわふわした感じの幻想的なイメージかな。
例えば、昔付き合ってたけど別れた人とか、亡くなってしまった知人や家族、昔仲良かった友達、何でもそうですが、その時の出会い~記憶の一つ一つが今の自分を構成する糧となってるわけですよね。
それを思い出し、改めて自分の中にまた蘇らせるというか、心に刻み込む、そんな意味合いを込めた世界観になってます。
ナルニアと並ぶ感動系の超しっとりバラードの一つです。


で、Violetの最後を飾る10曲目の『Inferiority Complex』。
直訳すると『劣等感』。
主役は一羽の鳥さんです。
大好きな飼い主に恩返しをしたい。
でも自分には羽根がない。
飛べない鳥なんて……
と、ちょっとかわいそうな鳥さんが持つ劣等感が背景にある楽曲ですが、そんなにネガティブなわけでもなかったりします。
むしろサウンド的には、勢いのあるノリノリ系で、メンバーも一番楽しそうに演奏する楽曲の一つかもしれません(笑)
ライブでも最近は外せないラインナップの一つで、一番盛り上がる?かもしれません。
まぁこのアルバムでは、曲のラストにも流れるオルゴールの印象でわかるように少し悲しい雰囲気もありますが(^o^;



と、個人的にレビューしてみました。

ですが音楽に限らず、芸術というのは体感する人それぞれによって感じ方も違えばもちろんそもそも価値観が違う。

なので、これを聞いてどんな感想をもつか。

もしかしたら僕のイメージとは全く違う像をイメージされる方もいるかもしれません。

でもそれもまた狙いというか本望というか…むしろそうであってもほしいというか。

『Violet』の裏の意味として、何色にも属さないという意味もあります。

もちろん具体的にはすみれ色ではあるんですが、より大きな意味では、何色になるかは聞いてくださる方によって染めてほしいとも言えます。

そしてelfはライブバンドでもあるので、音源のみでは伝えきれない世界観がたくさんあります。

そういう意味では一刻も早く全国の皆さんに生のelfを、生のだいちゃんをお届けできるように頑張っていきたいと思ってますヽ(´▽`)/

めっちゃ長くなりましたが、最後までどうもありがとうございました(*´∀`*)