Perfumeって何?オルタナティブ -127ページ目
<< 前のページへ最新 | 123 | 124 | 125 | 126 | 127

100万回生きたねこ

あるとき, ねこは だれのねこでも ありませんでした。 のらねこだったのです。
ねこは はじめて 自分の ねこに なりました。 ねこは 自分が だいすきでした。

100-neko.jpg



これはひょっとすると大人のための絵本かもしれないが,真に大人のための絵本ならば,
子供もまた楽しむことができよう。それが絵本というものの本質であるはずだ。
そして『100万回生きたねこ』は,絵本の本質をとらえている。
                         ――週刊朝日書評より

このとらねこ一代記が,何を風刺しているかなどと考えなくても,すごいバイタリティーを
もって生き,かつ死んだ話をおもしろいと思ってみればよいと思う。
上級から大人まで開いてみて,それぞれに受けとめられるふしぎなストーリーでもある。
飼い主へのつながりが無視され,前半と後半が途切れているようで,みていくとつながって
くるふしぎな構成である。
                         ――日本経済新聞「こどもの本」書評より

敗れざる者たち

日本に帰ってしばらくして内藤に会った。
弁解するように内藤は言った。
《たった500ドルのファイトマネーで,ブンブンぶっ飛ぶわけにはいかなかったんだよ。
命がかかってんだからね。》
 その時,はじめてぼくは深い徒労感に襲われた。
《いつブンブンぶっ飛ぶの?》
《いつか,そういう試合ができるとき,いつか……》
 以前,ぼくはこんな風に言ったことがある。
人間には,”燃えつきる”人間とそうでない人間の二つのタイプがある,と。
 しかし,もっと正確にいわなくてはならぬ。
人間は燃えつきる人間と,そうでない人間と,いつか燃えつきたいと望みつづける人間の,
三つのタイプがあるのだ,と。
 望みつづけ,望みつづけ,しかし”いつか”はやってこない。
内藤にも,あいつにも,あいつにも,そしてこの俺にも……。

                   「敗れざる者たち 沢木耕太郎」

敗れざる者たち



<< 前のページへ最新 | 123 | 124 | 125 | 126 | 127