100万回生きたねこ
あるとき, ねこは だれのねこでも ありませんでした。 のらねこだったのです。
ねこは はじめて 自分の ねこに なりました。 ねこは 自分が だいすきでした。

これはひょっとすると大人のための絵本かもしれないが,真に大人のための絵本ならば,
子供もまた楽しむことができよう。それが絵本というものの本質であるはずだ。
そして『100万回生きたねこ』は,絵本の本質をとらえている。
――週刊朝日書評より
このとらねこ一代記が,何を風刺しているかなどと考えなくても,すごいバイタリティーを
もって生き,かつ死んだ話をおもしろいと思ってみればよいと思う。
上級から大人まで開いてみて,それぞれに受けとめられるふしぎなストーリーでもある。
飼い主へのつながりが無視され,前半と後半が途切れているようで,みていくとつながって
くるふしぎな構成である。
――日本経済新聞「こどもの本」書評より
ねこは はじめて 自分の ねこに なりました。 ねこは 自分が だいすきでした。

これはひょっとすると大人のための絵本かもしれないが,真に大人のための絵本ならば,
子供もまた楽しむことができよう。それが絵本というものの本質であるはずだ。
そして『100万回生きたねこ』は,絵本の本質をとらえている。
――週刊朝日書評より
このとらねこ一代記が,何を風刺しているかなどと考えなくても,すごいバイタリティーを
もって生き,かつ死んだ話をおもしろいと思ってみればよいと思う。
上級から大人まで開いてみて,それぞれに受けとめられるふしぎなストーリーでもある。
飼い主へのつながりが無視され,前半と後半が途切れているようで,みていくとつながって
くるふしぎな構成である。
――日本経済新聞「こどもの本」書評より
敗れざる者たち
日本に帰ってしばらくして内藤に会った。
弁解するように内藤は言った。
《たった500ドルのファイトマネーで,ブンブンぶっ飛ぶわけにはいかなかったんだよ。
命がかかってんだからね。》
その時,はじめてぼくは深い徒労感に襲われた。
《いつブンブンぶっ飛ぶの?》
《いつか,そういう試合ができるとき,いつか……》
以前,ぼくはこんな風に言ったことがある。
人間には,”燃えつきる”人間とそうでない人間の二つのタイプがある,と。
しかし,もっと正確にいわなくてはならぬ。
人間は燃えつきる人間と,そうでない人間と,いつか燃えつきたいと望みつづける人間の,
三つのタイプがあるのだ,と。
望みつづけ,望みつづけ,しかし”いつか”はやってこない。
内藤にも,あいつにも,あいつにも,そしてこの俺にも……。
「敗れざる者たち 沢木耕太郎」

弁解するように内藤は言った。
《たった500ドルのファイトマネーで,ブンブンぶっ飛ぶわけにはいかなかったんだよ。
命がかかってんだからね。》
その時,はじめてぼくは深い徒労感に襲われた。
《いつブンブンぶっ飛ぶの?》
《いつか,そういう試合ができるとき,いつか……》
以前,ぼくはこんな風に言ったことがある。
人間には,”燃えつきる”人間とそうでない人間の二つのタイプがある,と。
しかし,もっと正確にいわなくてはならぬ。
人間は燃えつきる人間と,そうでない人間と,いつか燃えつきたいと望みつづける人間の,
三つのタイプがあるのだ,と。
望みつづけ,望みつづけ,しかし”いつか”はやってこない。
内藤にも,あいつにも,あいつにも,そしてこの俺にも……。
「敗れざる者たち 沢木耕太郎」
