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 【ニューヨーク=長戸雅子】米大統領選は、「初の黒人候補」「共和党初の女性副大統領候補」という話題の多さを反映してか、政治家がセレブに“同化”し、「政治のエンターテインメント化がいっそう進んだ選挙戦」とも指摘される。このため話題優先で真剣な政策論争に目が向けられなくなるとの危惧も出ている。

  【グラフで見る】激戦!オバマ、マケイン両氏の支持率の推移

 民主党のオバマ候補が人気女性司会者の番組で俳優マーロン・ブロンドのまねをすれば、共和党候補のマケイン氏は有名女性料理家の番組で一緒に肉を焼いてみせる。「セレブにならなければだれにも関心をもたれない」(米紙USA TODAY)とばかりにだ。

 ノースイースタン大のアラン・シュレーダー准教授(ジャーナリズム)は、「米国の政治家はエンターテイナーの要素が求められるようになっている」と指摘する。

 その政治の娯楽化を代表するとされるのが、NBCテレビの老舗政治風刺番組「サタデー・ナイト・ライブ」だ。共和党副大統領候補のサラ・ペイリン・アラスカ州知事にそっくりな女優、ティナ・フェイさんが出演するコントが大人気。ペイリン氏も出演した18日の放送は、この番組として14年ぶりの高視聴率を記録するほどだった。

 ペイリン氏が初の記者会見を開いたという設定で、フェイさん演じる「偽ペイリン」がウインクをしながら「ニューヨークやマサチューセッツ、コネティカットは米国らしくない」と民主党が強い州を腐してみせた。別の日の放送では、ペイリン氏がCBSテレビのインタビューでロシア外交に関し的外れな受け答えをしたことをパロディー化し、「アラスカの人が毎朝起きてすることはロシア人がうろついていないか外をみることよ」とやって爆笑を誘った。

 政治を風刺した娯楽番組は米テレビの定番だ。サタデー・ナイト・ライブは1976年の大統領戦でも、俳優のチェビー・チェイス氏が共和党のフォード大統領を間抜けに演じ話題になった。フォード氏の落選はチェイス氏のパロディーのせいだ、との指摘すらいまだにある。逆に、共和党大統領となったニクソン氏は対抗馬が出演を拒否したコメディーショーに出て好感度が上がり、当選に貢献したともいわれている。

 シュレーダー准教授は「ペイリン氏にはマイナスになるだろう」とみる。「マケイン陣営がペイリン氏に会見をさせないこともあり、ペイリン氏が自分のイメージを確立する前に、フェイさん演じる『頭が空っぽで大統領になる準備ができていない候補』というイメージが根付いてしまった」からだという。「政治家は、政治よりショービジネスの方が重要になる状況をつくらないよう心すべきだ」と警告もする。

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