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 ソフトバンク・王監督のプロ野球生活50年の幕引きはサヨナラ負けで終わった。

 仙台の空を覆った雲が、ぐっと涙をこらえてラストゲームを見守った。降水確率50%。「先発は両方いい投手だし、足場がいいところで投げさせたい。(午後)8時までもたせてくれればいいな」。そう話していたソフトバンク・王監督の願い通り、最終戦は杉内と田中の投手戦となった。

 143試合を終えて両チームともに64勝76敗3分け。パ・リーグの今季最終戦は、5、6位決定戦になった。だが、球場はこの日、熱い思いに包まれていた。王監督が指揮を執る最後の試合に詰めかけた報道陣は約160人。「背番号89」が動くたびに、スタンドから拍手と歓声が送られた。

 「僕は案外、感傷にひたるというのはあまりないんだ。人のことはすごく興奮したりするんだけど…」。この日も普段と同じく午前9時に起床。違っていたのは、午前中から大勢の来客があったこと。その一人一人と、王監督は丁寧にあいさつをかわした。

 ソフトバンクのベンチも、熱い思いが支配していた。左かかと打撲の小久保、左足甲を疲労骨折した川崎のリハビリ組がベンチ入り。右肩の故障で今季を棒に振った斉藤も合流し、スタンドには海の向こうから城島(マリナーズ)が駆けつけた。薫陶を受けた“まな弟子”たちが、それぞれの思いを胸に恩師の最後の指揮姿を見つめた。

 「涙雨なんて僕には似合わないよ」。いたずらっぽく、笑顔で話していた王監督。巨人で5年、ダイエー、ソフトバンクで14年間指揮を執った「世界の王」が、杜の都での熱戦を花道にユニホームを脱いだ。

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