創作「錯覚した加速」3 | 如月エルフのブログ

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セーラー服とマンガと○○と呪われし女装子

この前の続き。

「こんにちは」
入り口の扉の所で声がした。
「あ、お客さんだわ」
「あ、本当だ」
イセエビとサルボボが扉の所で立っている人物を見た。髪の長い若い女性で、花束を持っていた。
「あ、どうも」
「いらっしゃい」
女性は部屋に入っていった。
「私、人を探してほしいんです。それと、これ、差し上げます」
「ああ、ありがとうございます」
サルボボは花束を受け取った。
「そういやこの事務所には花を置いてなかったなあ。ちょうど都合がええわ。そういやあんた、花屋をやってらっしやるようで。この花もお店の物で」
「そうです、よくわかりましたね」
イセエビの説明に客は驚いた。
「ええ、どうしてなの」
サルボボがイセエビに聞く。
「この花束を包んでる包装紙、うちの近くのどこの花屋にも置いてない種類だし。外出先に持っていく花を買う時は近くの花屋さんで買うし」
その時、後ろからヤトガメが発言する。
「ここにシモシナって書いてる」
「ああ、霜科市にある花屋さんね」
「ヤトガメ、いらん事をゆうなって」
「ヤー」
3人の会話を聞いていた客は、アハハハと態度でかく笑い出した。
そして4人はテーブルをはさんで座った。
「私、シモシナトウヤという名前です。高校を出てから花屋をやってます。卒業間近のバレンタインデーの時に、かわいい女の子にチョコレートをもらったんだけど、それがものすごくかわいくて、心臓が止まりそうになったんで。だけど誰だかわからなくて。うちの高校にいる女子学生は全員の名前とクラスを覚えてたはずなんだけど。もう一度会ってみたいし」
「わかりました。そろそろ現れてきます」
客の説明にイセエビが答えたその直後、壁にある扉が開いて、巫女姿の者達が現れた。それも、3人である。それとは別に1人、女子学生服姿の子もいた。
「あれ、いつもと違ってトシカちゃんみたいのが大勢いるやん」
「ああ、あなたよ。私が探していたのは」
そう言って、客はその女子学生姿の人物に抱きついていった。
「わあ、シモシナさん、いきなりですか」
「そういやそこにいるのはおひめちゃんと弟ではないか。どうして一緒にいるんや」
巫女姿の1人が説明し始めた。
「私、18禁さんに謝らなければならないみたいなんです」
「え、誰それ」
イセエビが聞く。
「ああ、この人の高校時代のニックネームです。私はアリカワヒメ。一緒に生徒会役員をやっていた知り合いです。そしてこちらは弟のカグヤで、風紀委員会をやっていました」
カグヤは軽く会釈する。
「私とカグヤ、ある時、そこにいるイトウマオ君に相談されたんです。仲良くなりたいという女子に私と付き合いたいなら女装してこいと言われたのでどうしようかと。それで女装させてあげたのです」
「おいおいちょっと待て。あんたら男かい」
「はい、この弟とそこにいるマオ君も」
イセエビは驚く。ヤトガメも紅姫を見た時以来の美少女と遭遇して圧倒されたような表情を見せた。
サルボボが疑問を持つ。
「名古屋城と姫路城の時に見ませんでしたけ」
「ええ、そんな話あったけ」
イセエビが知ってか知らずかの振りをした。
「それでそのあと、マオ君が付き合いたいという女子の写真を見せてくれたんです。そしたら、18禁さんだったんです。この人は付き合うと苦労するから、絶対やめとけ、って言ったんです。それでマオ君は諦めたみたいだったんですけど、バレンタインデーの時になって突然チョコレートを持ってきたのを私見たんです。その時の18禁さん何か恋いこがれてるみたいなので、やっぱり会わせてあげようかなと思って、同じ生徒会だったベル2世さんに相談してみたんです。そしたら、今日この事務所に行ってみなさいと言ったので、行ってみたら、そこの巫女さんに、そこの部屋で待機してるように言われて」
「へえ、うちの事務所で占いとかをやってもらってるトシカちゃん、その2世さんとかいう人と知り合いで?」
イセエビの質問にトシカは答える。
「ええ、まあ」
「もしや、同一人物では」
「という事です」
ヒメの説明に18禁が答える。
「そうか、そういう事か。まあ出会うのが遅れたとかのわだかまりはこの際水に流そう。それじゃあ、マオ君と言ったけ。これからよろしく」
「はい」
「ていうか、何でおひめちゃんと弟は巫女さんの姿をしてるんや」
「バイトが禁止の校則がなくなったのでまた神社で働いてるんです」
そのあと、4人は事務所を出ていった。
「しかし、本当にバイト禁止がなくなったんかなあ」
イセエビの質問にサルボボが答える。
「ジン先輩が家庭教師のバイトをやってるから、2作品間で設定を合わせなければでしょう」
「何じゃそら。それならうちの母校も女装の生徒を増やさんといかんなあ」
「それ自体も校則違反でしけたけど」
「どうなっとるんや」
「コウソクエスパー」


またやりました。「ひめゴト」とのコラボ二次創作を。
名古屋城と姫路城というのもここのブログの古い二次創作小説からです。
紅姫とかマオ君とかについても、「ひめゴト」「八十亀ちゃんかんさつにっき」それぞれの単行本を参照。手抜き?
ベル2世とトシカさんは役者が同一人物でしたね。
それから、前回に書き忘れた事を。
この話はフィクションです、実在の人物等とは無関係です。
それと、扉の奥の部屋で閉じこもっている和服姿の女性は初内ララ先生だと思いませんでした?だけど違いましたね。以降の登場の予定は、今の所考えていません。