「あか先輩参上!」
「写真部は廃部する」
生徒会長からそう告げられた。
無理もない。普段から活動らしい活動をせず、文化祭で展示した写真も手抜きな物ばかり。これではそう判断されても仕方がない。
部長の笹津やん菜、とうとう、太陽に向かって飛んでいった。
「どうすればいいんや~」
とその時、声がした。
「危ないで~」
その声の主、太陽に突っ込もうとする笹津やん菜を助けた。
笹津やん菜、その者の姿を見て・・・。
「あ、あんたは・・・」
「部長、起きて下さい」
この只草舞衣の声を聞き、笹津やん菜は目を覚ました。
「何やあ、夢か。人間が空を飛ぶから変やと思った」
「兄がなかなか帰らなくて」
「まーかん」
「生徒会に・・・」
八十亀最中と陣界斗も部室に戻っていた。
「あ、みかん、ずるいぞ1人だけこんなの食べて」
陣界斗がそう言った所に、いつの間にかみかんが数個置いてあった。
笹津やん菜は客が名前を書いていくメモを見ると、突然部室を飛び出していき、そして戻ってきた。
そこには、生徒会長が副会長と会計を伴って入ってきていた。
「てめえら。写真部の廃部についてだが・・・」
そう言ったあと、生徒会長、後ろを向き、歩き出した。
「写真部は存続とする」
副会長と会計もあとに付いていき、部室を去っていった。
「どうなっとるんや?」
「でもよかったですわね」
「だけどどうして考えを変えたんだろう」
「何か、このみかんを見てたような」
八十亀最中がそう言ったあと、陣界斗が叫んだ。
「そうか、このみかんは紀州産。紀伊徳川の地だ。あの水戸黄門の印籠と同じ効果があった。こっちは水戸徳川でそれぞれ徳川御三家だ」
「そうかやっぱりあか先輩が来ていてこれを置いていったんや。まさに必殺技の贈り物やな」
「何か今回の話、でき過ぎてへん?」
人が空を飛ぶ所は夢の中だから無問題。
「あか先輩は和歌山県出身だから紀州産のみかんは問題ないけど、印籠と一緒にするというのは」
・・・だめ?
「それでしたら、八十亀ちゃんは名古屋で尾張徳川ですわ」
「そうや。そやったら部員に名古屋出身がおったら廃部を言い渡すはずがなくなるやんけ」
・・・ああ、設定ミスった~。
「それと、この過去記事見てみい。帰ってきた人と評価された人が誰だか変わっとるで」
ほんまややこしなってますな~。