創作「西から来たヒロイン、運命に死す?」1 | 如月エルフのブログ

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セーラー服とマンガと○○と呪われし女装子

田金高校には、第2文化祭というのがある。
最初の文化祭の際に、来場者に抽選券が渡され、当選すると、その1ヶ月後に行なわれる第2文化祭への参加権と交通費が与えられる。
第2文化祭の目的は、その当選者をヒーローにする、というものである。
そして、今年の当選者は、一天前紫春に決まった。八十亀最中のいとこである。
この知らせを聞いた生徒達は、それぞれの思いを語っていった。
「誰?」
「ほら、あいつ。この前の文化祭でめちゃくちゃ暴れていた」
「ああ、あいつか。よりによってそのようなのを」
写真部部室でも同じような思いであった。
「全く、あいつのせいで体育館は荒らされるし、ここの部室をすし詰めにするし。おかげであか先輩も、うちと久々に顔見せできんかったそうやし」
「だけど、今度の第2文化祭ではその子をヒーローにしなきゃいけないんだろ」
「ここの生徒達もみんな悩んでるそうよ。確か、八十亀ちゃんのいとこだったわね」
「ワタシ、イトコ、チガウ」
「ほら、八十亀ちゃん、ロボ化してるわ。あの子の話になるといつもこうなのよ」
「で、どうするんや」
「この際、その子が帰るまでみんなじっとしてよ」
「そうだね」
部員達は全員、同じ考えで一致した。
そこへ、生徒会長の東風樫湘が入ってきた。
「おう、みんな、元気にやっとるか。この前の文化祭では写真部が大入りだったそうだな。だから今度の第2文化祭では君達に大いに期待してるで。それじゃあ」
こう言って生徒会長は部室を出ていった。
「ちっ、生徒会長にああ言われては、うちらが何とかしなあかんみたいになるやんか」
「だけどどうすればいいかしら。何もアイデアが浮かんできませんわ」
「ドウスレバ、イイ」
「そうだ、紫春ちゃんは女の子だからヒーローにはなれない。なったとしてもヒロインだ。だから」
「中止するか、男の人限定で抽選し直してもらえばいいですわね。あとで生徒会に伝えに行きましょう」
「ああそういえば、『ふたりはプリキュア』のアニメでは・・・」

キュアブラック「ヒーロー登場」
キュアホワイト「ヒロインでしょ」
キュアブラック、がっくりする

「・・・というのがあったな。ようし」
「タノミマス」
そこへ再び生徒会長が、今度は副会長の青那寺恵と会計の朝霞きぃなを引き連れてやってきた。
「おう、言い忘れてたけど、今度の第2文化祭でヒーローにするのは男女どっちでもいい事にしておる。そうだな、青那寺」
「はい、今度始まった「ひろがるスカイ!プリキュア」では、主人公の女の子のプリキュアがヒーローと名乗っていますわ。職業とかの名称を男女別にしないという時代の考え方だと思われます」
「主人公のキュアスカイのアホ~」
それぞれ言ったあと、3人は去っていった。
「ああくそ、だめか」
「仕方がありませんわ」
「ああ、おれお婆さんに期待していたんだけどな」
「ダメダコリャ」
笹津やん菜、只草舞衣、陣界斗、八十亀最中のそれぞれが無念の気持ちでいた。
期待というのは、一天前紫春の暴れっぷりを何とかできないか、陣界斗は、八十亀最中のお婆さんでもある祖母から聞き出せればとかねてから思っていた、という事である。しかし、修学旅行の時にようやく会見がかなったものの、当の人物もロボ化するほどに苦手な存在であった。まさに、木江田博士とニーナさながらであった。
陣界斗は自宅に戻っていった。そこでは、妹の繁華がテレビを見ていた。
「あれ、繁華は自分の部屋でご当地アイドルの映像に没頭すると友達から聞いたけど」
「地上波や衛星放送も見るわよ。ほら、これ」
そこでは、「ドリフ大爆笑」という昔のお笑い番組を放送していた。そこではオーケストラのコントをやっていた。
「ああこれ、ヤッターキングのファンファーレだ」
「お兄ちゃん、これ『ウィリアム・テル序曲』でしょ。ていうか、『ヤッターマン』って今関西で放送されてるそうよ」
「小さい時再放送で見ただろ。そうか関西から来る子をヒーローにしなければいけないんか」
そのオーケストラでは、ザ・ドリフターズのメンバーが代わる代わる指揮者を担当していき色んな曲を流していった。そしてその1人である志村けんが再びやってきて指揮台に立ったその時。
「ドドーン」
「キャッ」
「相変わらず繁華は臆病だな。そ、そうかこれだ~」
「キャッ、今度は何、お兄ちゃん」


第2文化祭というのは、こちらの独自の設定で、オリジナルの「八十亀ちゃんかんさつにっき」にはありません。
木江田博士とニーナというのは、ここ参照。
あか先輩については、ここここ。この人もその人達の中に入る?
ザ・ドリフターズはたまによくオーケストラ等の音楽演奏のコントをやっていました。「8時だョ!全員集合」でも。だけど「ウィリアム・テル序曲」はその裏番組の1つである「オレたちひょうきん族」のオープニング曲でもあったという事は外せません。
それから・・・。
一天前紫春「写真部部室の超満員はうちのせいやあらへんで」
ついでにもう1つ。
陣界斗「今度の『ひろがるスカイ!プリキュア』のCMにある曲って、エヘン虫のCMとか『マリオブラザーズ』のゲームで聞かなかった?」
陣繁華「モーツァルトの『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』でしょ」
・・・別名「弦楽セレナード(デ?)」と突っ込むつもりでしたけど、何か違うっぽいみたいです?ていうか、世代が違い過ぎる?