創作「爆弾少女と正義少年」10 | 如月エルフのブログ

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セーラー服とマンガと○○と呪われし女装子

健児は服のポケットから何かを取り出した。音はこれから発していた。そしてその上にあるランプも点滅していた。タイムマシンからの指令の合図である。健児は、今入ってきた部屋から出て、鍵をかけ、それを扉の近くのポストに入れた。部屋の中から出発すると、戻ってきたときに外にいたりしたら鍵がないと入れない。鍵をどこかの時代に落っことす可能性だってある。
「さあ準備ができました。いつでもよろしく」健児は身構えた。
やがて別の時代へ飛ばされた。気が付いてみると、そこは以前にも来た25世紀のタイムマシンのシステムのある部屋であった。
「よく来てくれた」顔なじみの隊長が遠くに座って迎えてくれた。
「君の役割は理解しておるな」「はい、321号のお嬢さんを探し出して、やつらから守ることです」「うむ。だけど、お嬢さんとかいうかしこまった言いかたはせんでよい。321号でいい。それと、やつら、か。我々はとりあえず帝国と呼んでいる。より詳しくわかり次第、色々伝えてやるつもりだ。それじゃあ、321号のいる時代への転送を始める」
健児は再び身構えた。そして隊長の合図と共に、システムが作動し、健児はまた別の時代に移動させられた。
健児が気が付くと、そこはジャングルのようなところであった。さっきポケットから出していたものをまた手に取ってみた。何の反応もない。321号が近くにいればわかるようになっているはずである。声が聞こえてきた。タイムマシンから送られてくるものである。
「321号は、今君が立っているところからは右上の方角にいる」健児は言われた方向に歩き出した。「いや、もう少し左の方角だ。そうだ、その方向だ」とりあえず歩き続けた。
今いるところがジャングルのため、歩きにくい。邪魔になるものをよけたり取り払ったりしながら進んでいく。方角がずれたときは、声が指示してくれる。場所によっては、ウィルス持ちの蚊や毒蛇などの危険があるが、授かった防御膜のシステムがあるので安全である。暑さ寒さ対策にもなっている。もっとも、極端に寒いところでは奇妙に思われないような服装にするようにという指示は出ている。
歩き続けて、ようやく川の近くのところに来た。この辺は木々が少ない。と、そのとき、何者かが襲撃してきた。これまで幾度となく自分に刃向かってきたやつらである。いや、帝国軍で、その戦闘員、あるいは兵士、か。そして戦闘員達との格闘が始まった。健児は何度か攻撃を受けたが、防御膜が鎧の役目まで果たしていてダメージを負うことはない。ただし・・・。戦闘員を殴ったり蹴飛ばしたり、そして川へ投げ飛ばしたりした。もし自分が川に落っことされたりでもしたら、そこに生息しているピラニアに食われる危険性がある。鎧のようなのを覆っていても、それを上回る攻撃力で来る可能性がないとも限らない。それより、兵士達の攻撃はすさまじく、健児は追い詰められそうになった。そこで、銃を取り出した。相手の能力に応じて使用するかどうか判断する。今は遠慮する必要はない。兵士達は、倒されるたびに黒く光り消えていく。帝国の存在する時代に戻っていくのだろう。そして戦闘員が1人残らずいなくなった。と、そのとき、例のアイテムから音が発せられた。