「え、学校の先生?」ゼンは今1つ納得がいかないという気持ちで目の前にいる男の姿を見ました。
その先生と言われる男が、ゼンとディップに向かって叫びました。
「お前ら、最近学校へ来てないと思ったら、こんなところで遊んでたんだな」
ディップが言い返しました。「遊んでたんじゃないんです。冒険してたんです」
「やかましい。子供が冒険なんかするんじゃない」先生がどなりました。
「いや大人と一緒ならいいんじゃないですか」ディップがおじさんのほうに顔を向けました。
「誰だね、この人は」先生が聞きました。
「ぼくのお父さんの知り合いだよ」ゼンが答えました。
先生はおじさんのところに近付いていって、質問しました。
「あなたですか、この子達をそそのかしたのは」
「お主が先生をやってるという学校は子供達をみんな必ず通わせているのですか」
おじさんのほうからも聞いてきました。
「え、いや、必ずというわけではないですけど。だけど学校で学ばせていることは、子供達の現在や将来において生活していく上で重要になってくることなのです。だからできるだけこの町にいる子供達みんなに教えようと考えているわけです。あなたならこれくらいは理解できますよね」
おじさんは言い返さず黙っていました。
それから先生はゼンとディップのところに戻ってきました。
「そういうわけだ。だから明日は必ず2人とも学校へ来るように。いいね」
そう言って、先生は去っていきました。
ゼンとディップがおじさんの顔を見ました。
おじさんは言いました。「まあ仕方ないな」
3人はそのまま町へ戻りました。
次の日、ゼンとディップは学校に来ました。2人は他に誰もいない教室に連れて行かれました。そして昨日会った先生がやってきました。
「今日はお前達にテストをやってもらう。ずっと学校へ来ていなくてどのくらい授業が遅れているか確認するためだ」
先生は2人がそれぞれ座っている机の上にテスト用紙を置いていきました。
「制限時間は特に決めていない。全部書き終わるか、あまり時間がかかり過ぎていたらそれで終了とする。では始めよ」
2人はテスト用紙を読み始めました。先生は教室でずっと2人を見張り続けました。
テスト終了後、先生はテストの採点をしました。「こ、これは・・・」