創作「少年勇者の旅立ち」5 | 如月エルフのブログ

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次の日。ゼンとおじさんは、昨日行ったのと同じ洞窟の入り口のところに来ました。
「さあ入るよ」
2人は洞窟へ入っていきました。そしておじさんは何かをつぶやきました。すると、周りが明るくなりました。
「わあ、向こうのほうまで見える」
「これでモンスターが突然やってきても大丈夫だ」
「おじさんって不思議な術が使えるんだね」
「ああ。私は魔法の呪文をたくさん唱えられる。ところで、暗い洞窟の中はたいまつを使えばいいのだが、金がかかる。だからしばらくは私の魔法で照らしていくことにするよ。さあ洞窟を探索していこう。君が前を行きなさい」
「洞窟が2つに分かれてるけどどっちへ行ったらいいかな」
「君の好きなほうへ行きなさい」
ゼンは昨日と同じほうへ歩き始めました。おじさんがそのあとを付いていきました。
いくらか歩いたところで、突如モンスターが出現しました。昨日見たのとは種類が異なりますが、大きさはさほど変わりませんでした。
「ようし行け」
そう言われて、ゼンはモンスターに近付き、持っていた短剣を使ってその体の表面に切り付けました。少しだけ傷が入りました。更に短剣を振り回したり突き刺したりして攻撃を続けました。いくらかダメージを与えたとき、モンスターのほうから自らの腕を上から降ろしてゼンに当ててきました。ゼンは衝撃を受けて後ろに飛ばされました。
そのあと、炎が飛んできて、モンスターに当たりました。昨日見たのと同じような魔法の炎です。モンスターは火に包まれて倒れました。
「いててて」
ゼンはモンスターからの攻撃でできた傷の痛みを感じました。
「大丈夫か」
おじさんが近付いてきて、魔法を唱えました。すると、ほのかに明るい光がゼンを包みました。
「あれ、傷がなくなってる」
「今のは回復の呪文だ。いいか、今のように、まず君がモンスターを攻撃する。君が攻撃を受けて戦えなくなったら、私が攻撃の魔法でモンスターをやっつける。そのあと魔法で君を直してあげる。このやりかたでやっていくよ」
「おじさんだけでモンスターを倒したらいいんじゃないか」
「いいか。君はモンスターと戦ったりして経験を積んでいかなければならないんだ。最初は小さなダメージを与えるだけでもいい。戦えなくなったら私が倒してあげる。そうやってうまく攻撃したりよけたりして戦いかたを覚えていけば、そのうち君1人だけでもモンスターを倒せるようになる。わかったかね」
「うん、わかった」
「よし、洞窟の探索を続けよう。ただ、私にも魔法の力に限界があって、いくらでも呪文を唱えられるわけではない。眠ったりして休めば回復するんだ。だから、私の力がなくなるか夜遅くなるかしたら、続きはまた次の日に再開することにしよう。さあいくよ」
2人は洞窟の更に奥へ進んでいきました。